嘘だよ。 #CY (ページ31)

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LIE 31 ページ31

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それから時間は経ち、
俺はさらに具合が悪くなった。

今は話すことも困難だ。

そんなある日。
病室に誰かがやって来た。

俺は"ベクかな？"なんて思った。

すると目に入ってきたのは

＿＿Aの姿だった。

きっとベクが言ったんだろうな。
でも俺は心のどこかでこんなことになるんじゃないかって期待してた。

Aは俺を見て
唇を噛み締めた。

本当は泣きたいのに必死に我慢してるんだろうな。
そう思うと何もできないことが申し訳なかった。

「久しぶりだね。チャニョル。
　またどっか行けって思ってる？
　でも今日くらいはここにいさせてね。」

Aは買ってきた花束を飾る。

俺はAを見つめる。

「びっくりした？
　ごめんね。入院してること私に内緒にしててくれたのに。
　でもやっぱり会いたかったんだ。ワガママだね。」

Aは俺の手を握る。
久しぶりにAに触れて安心した。

「チャニョルと別れてから
　どんなにチャニョルが大切な存在だったか気づいたんだ。

　チャニョルの私は正反対だけど
　よく理解してくれてた。

　困ったり悩んでるときに
　そばにいて励ましてくれたのはいつもチャニョルだった。」

Aは強く手を握り直した。

「今度は私がチャニョルを励ましてあげるから！！

　だからチャニョルが嫌でも
　チャニョルの横にいさせてください。」

あぁ。俺の負けだ。
Aみたいな最高の"彼女"には叶わないよ。
俺がAのことを思ってついた嘘は必要なかったのかもしれない。

でもAの目には涙が溢れていた。
俺はAの目のしたをそっと親指で拭いた。

Aはそれに気づき、精一杯笑う。

俺は力を振り絞ってこう言った。

CY「…全部

　
　・

　・

　・

　

　…嘘だ…よ。」