君のいない夏。 -EXO短編集- (ページ10)

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そして1か月が過ぎた。

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XM「Aさん。退院おめでとうございます。」

『ありがとうございます。
　今までお世話になりました。』

私はミンソクさんに頭を下げた。

そう。私は退院するのだ。

嬉しいけど
ルハン君と会えなくなるのは悲しいな。

母「A。ずっとお母さんが持ってたんだけど…。
　これあなたの携帯よ。」

私はお母さんからスマホを受けとる。

『お母さん。
　私、少し広場に行ってくる。
　今まで仲良くしてくれた人と連絡先を交換したいの。』

お母さんは少し驚いた顔をしたが
"いいよ"と言ってくれた。

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広場に行くとルハン君がいた。

LH「やぁ、Aちゃん。
　今日はおしゃれな格好だね。
　どうしたの？」

『私、退院するの。』

ルハン君は拍手した。

LH「おめでとう！！
　今まで頑張って良かったね。」

私はスマホを取りだして
ルハン君に見せた。

『ルハン君と会えなくなるのが嫌だから。
　連絡先を教えてくれない？

　これからも何かあったらお話を聞いてくれる人がほしいし。』

ルハン君もスマホを出した。

LH「うん。いいよ。
　俺の電話番号言うね。」

私はルハン君の言った通りに数字を打った。

『OK。ってあれ。

　もう同じ番号が登録されてるみたい…。』

その番号は"ルハン"という名前で登録されていた。

『どういうこと？』

私はルハン君を見る。

LH「それは…」

『私が病院に来て目覚めたときが初めましてじゃなかったの？』

私の声は震えていた。

『ルハン君は誰なの？』

無言のルハン君。

『私たちは前から知り合ってたの？』

ルハン君が走り去ろうとした。
私はルハン君の腕を掴んだ。

『逃げないで。』

それは初めにルハン君に言われた言葉。

『人に言ったのに自分は逃げるの？』

するとルハン君が振り返った。

その顔には涙が流れていた。

『ルハン君…？』

LH「じゃあ、どうしろって言うんだよ！！！！」

ルハン君は怒鳴ったあと
私の腕を離して走っていった。