君のいない夏。 -EXO短編集- (ページ4)

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Dear.A

これを読んでる頃には
俺はもうAの隣の家にはいないね。
急に引っ越してごめん。

Aに引っ越すなんて言えなかった。
そんなこと言ったら俺が泣いちゃいそうで。

A。夏に言ったこと覚えてる？

花火が輝く時間だけは、
俺のことを思い出してくれない？って言ったこと。

これが俺がAにする最後のお願いだ。
だからちゃんと忘れるなよ。
俺も夏には花火をしてAを思い出すよ。

俺、ちゃんと小説家になって
またここに帰ってくるよ。

それまでお別れ。

From.ベッキョン

P.S.

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私は追伸を読まないで手紙を閉じた。
ベク。
これは"最後"のお願いじゃなくて"最期"のお願いなんだよ…。

私は涙が出た。
私は続きを読むのが怖い。
でも読まなきゃ。

私はまた手紙を開く。

P.S.

ずっと言えなかったことがある。

『…言わないで。』

俺は

『お願い。言わないで。』

Aのことが

『お願いだってっ…』

ずっと前から

『やめてよっ…』

好きだった。

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私は手紙を読み終えると
すぐに外に出た。

『花火…！！花火を買わなきゃ！！』