【HQ】がんばる及川さん【及川徹】

がんばる 18 ページ18

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結局心の中で何度も唱えた言葉は言う事が出来ず、
男友達や岩ちゃん達と回る事になった高校生活最後の学校祭。

一緒に回るどころか高崎の姿さえ全然見ていない。


無事仮装パフォーマンスは優勝、お化け屋敷も大人気だった。


どうにも帰る気になれず1人教室に残る。
先程までは片付けで騒がしかったここも、廊下も
静まり返っている。


｢…え、及川、何してんの？｣

｢高崎…｣
｢私はスマホ忘れちゃってさ、｣


お団子姿の高崎が教室に入ってくる。
きっとまた米田にやってもらったのだろう。


｢そういえば及川告白できた？前言ってた好きな人に｣

｢…あー、まだだよ｣

｢そうなの？意外だな…私もこれから頑張るからさ、及川も頑張んなよね。｣


そう言って教室を出ていこうとする高崎。



頑張る？

もしかして、今から岩ちゃんのとこ行くの？

それで告白するの？


そしたら俺もう頑張れないじゃん。

俺の方がずっと好きだし、前から好きだし、
岩ちゃんより好きな自信あるのに



｢行くなよ！｣

｢…え？｣


振り返る高崎を抱きしめる。

今行かせたらもう２度と気持ちを伝えることが出来なくなる気がした。

どこにも行かないで欲しい、キョーミなくていいから俺の隣でずっと笑ってて欲しい。




｢…俺、ずっと好きだよ。高崎が岩ちゃんを好きでも俺はずっと、｣


あの日夢に君が出てきた時から、


｢大好きだ｣








｢…え、っと、ごめん、私、及川の事そういう風に、見た事無くて…｣


分かっていたけどいざ言われると結構つらい。


｢いいよ、これから、意識してよ。｣
｢…でも、私、｣



｢絶対俺の事好きにさせるから｣




がんばるのは俺の得意分野だから。




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