12ヵ月《 橙 × 青 》

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定時で仕事終わらせて
いつも通りの電車に乗って
家に帰る






｢ただいまぁ…｣





狭いけど
男の一人暮らしには丁度の1ＬDＫ。


もちろん｢おかえり｣って返ってくるわけじゃないし
温かいご飯ができてるわけでもない





でも


ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ


玄関に忘れて置きっぱなしにしてた
バッグの中から聞こえる音を出れば



『もしもしぃ？隆ちゃん…？もう家ついた？』



なんて、今までになかった
可愛い 可愛い 電話。








｢うん、今帰ってきたで？｣


自分でも引くぐらい甘ぁい声で返事をすると



『ふふ、お疲れ様。』



って電話越しのちょっとくぐもった声で
疲れなんて一瞬で吹き飛ぶ
魔法の言葉をくれるから





明日も仕事、頑張れちゃうわ。









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章ちゃんと付き合い初めてから
１ヶ月が経った。





｢ただいまぁ〜…｣


いつも通り玄関で返ってこない挨拶をする





｢おかえり！｣



今日は返ってくるけど。





今日はっていうかここ最近は、か。




お互いの会いたい、会いたいがつのって
いつの間にか毎日のようにお互いの家に
泊まるようになっていた。



2人とも仕事は規則的だし
たまにボクが徹夜作業になる時もあるけど



そんな日以外は時間もタイミングもピッタリ。








｢会いたい｣って言えば大抵会えるし

『会いたい』って言われればいつでも会いに行ける






そんな事が日に日に増して
気づいたら毎朝2人で朝を迎えるようになっていた。








今日もまた2人で朝を迎えた。
｢料理あんまり得意やない｣なんて言いながら作る
君の愛情のこもった朝ごはんを2人で食べて







｢ねぇ章ちゃん｣『ねぇ隆ちゃん』




『｢ふふ｣』




2人とも同じタイミングで話し出して
2人で同時に笑い出す



｢章ちゃん先に言ってええよ？｣

『んーん、僕はちょっとした話やから先に隆ちゃん言って？』




｢じゃあ先に。｣

｢一緒に住もっか。｣




『…僕も今、同じこと言おうとしてた。』







なんやそれって2人で笑い合う
ボクたちかなり気ぃ合うみたい。









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