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病院に戻った頃には
すっかりあたりは暗くなっていた
病室のドアの前で深呼吸をする。
手が震えている
…何を怖がっているんだ、
逃げるな、
顔を背けるな、
むりやり言い聞かせて、言い聞かせて
震えた手をドアにかけた。
『ふっ…ｸﾞｽっ…なんでまた…』
『なんで僕なんや…っ』
少し開けた隙間から
押し殺して泣く
章ちゃんの声が聞こえる。
思わず手がとまった
…当たり前やん
強いなんてこと、あるわけないやん
ボクが先に、泣いたから
章ちゃんに気を使わせて
ボクに心配かけないようにって
…なんですぐに気づけなかったんや。
｢章ちゃん｣
『……！！
隆ちゃん…。遅かったねぇ』
真っ赤に腫れ上がった目をこすって
泣いていた後を隠そうとする。
ボクはただ、何も言わず抱きしめた
『隆ちゃん…？どないしたん？』
｢…ごめん、気づけなくて｣
『ふふっなにがぁ？』
｢勝手に強いって思ってた
ボクはこんなにも苦しくて信じられなくて怖くて
でも章ちゃんは
しっかりしてて、なんか…冷めてて、
死ぬの怖くないんかなって｣
抱きしめているから
表情はわからないけど
ボクの首に
水が伝う
｢…支えるから！
ボクなんかじゃ力不足かもわからんけど
…でも、なんでも言うて
章ちゃんの辛さも、痛みも、恐怖も、
全部、全部ボクにも背負わせて。｣
『隆ちゃん…』
ゆっくりと体を離される
章ちゃんの顔は涙でぐしゃぐしゃで
きっと僕の顔もぐしゃぐしゃで
お互い顔を見合わせてクスって笑う
『隆ちゃん、ありがとう
ほんまは怖くて怖くて
信じられなくて
信じたくなくて
…それでも、隆ちゃんが傍にいてくれるなら
頑張れる』
『愛してる』
ぐしゃぐしゃの顔同士が重なりあって
｢しょっぱ｣
『せやね』
って笑い合う。
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章ちゃん、僕のほうが、きっと愛してるよ
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ちぱみぃ(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます！読んでくださって嬉しいお言葉まで(;_;)本当に嬉しいです！これからも是非読んでいただけると幸いです！ (2019年9月24日 22時) (
レス) id: fcac1e0faf (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - お疲れさまでした！読み始めたのは最近だったのですが、一気に読み進めて、今日最後の更新を読んで…涙が止まりません。山田の2人とても素敵です。またお話楽しみにしています。 (2019年9月24日 14時) (レス) id: ad46af1069 (このIDを非表示/違反報告)
ちぱみぃ(プロフ) - まんぼす 。さん» 読んでくださってありがとうございました(;_;) (2019年9月21日 23時) (レス) id: fcac1e0faf (このIDを非表示/違反報告)
まんぼす 。(プロフ) - 今一気読みし終えたとこですが、最後で涙が溢れました…心から愛し合う山田がとても素敵でした、無事完結お疲れ様です…！ (2019年9月21日 1時) (レス) id: 773e3643d9 (このIDを非表示/違反報告)
黒雪アリス(プロフ) - 更新お願いします！ (2018年4月22日 4時) (レス) id: 38a8dac152 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぱみぃ | 作成日時：2017年6月5日 10時
