賭け ページ26
｢跡部くん、今日はなんでまた…｣
｢アーン？完成しそうでなかなか完成しないあの技にどうもやきもきしちまってな。………アイツとなら…俺の内なるものが出てくるんじゃねぇかと思ってな｣
｢ふーん…｣
｢それと、お前の連絡先を聞こうと思ってな｣
跡部はフッと笑って綾瀬を見下ろした。
｢俺の？｣
｢あぁ、スマホ出しな｣
そう言われ綾瀬は慌ててスマホを取り出した。
アーン？どうやるんだコレ、なんて言っている跡部を少し面白く思いながら、彼のスマホを受け取って連絡先を交換する。
｢あー……なんか跡部くんの親衛隊に刺されそうだなぁ｣
｢フッ、何言ってやがる。綾瀬Aくん｣
跡部はわざとらしく綾瀬を君付けで呼び含み笑いをした。
そんな様子の跡部へちょっとムカついたのか綾瀬は彼の学校が推薦枠で全国大会へ出場出来るようになったことを言うのは止めた。
それに他校の人間から聞くより、ちゃんと学校の人から知らされる方が気持ちもいいだろうし。
｢なぁ跡部くん｣
｢なんだ？｣
｢この後はどこか行くのかい？｣
｢……学校へ戻って自主練だ｣
｢へぇ、ストイックだね｣
｢来年は全国大会に出場する予定だからな｣
自信たっぷりに言う彼の横顔を見て、流石跡部財閥の御曹司と思う。そんなたわいもない話をして正門へ着くと恐らく高級なのであろう外車が止まっていて、綾瀬は少し気後れしながらそれに乗り込む跡部を見送る。
｢じゃあな、全国大会は気が向いたら観に行くぜ｣
｢……お前は絶対全国大会の会場へ行くよ。……命賭けてもいい｣
｢フッ……どこからの自信だよ｣
｢うーん…なんでだろうなぁ｣
綾瀬はニッと口角をあげて微笑む。跡部はその様子を見て不思議そうに眉根を寄せ、片眉を上げた。
｢じゃ、賭けに勝ったら、俺のお願い一つ叶えてくれよな。な〜んて…｣
｢悪くねぇ。いいぜその賭け、今の俺様は気分がいいからな。当日はどうなるか分からねぇが、お前が勝ったら願い一つ叶えてやるよ｣
跡部はそう言って意地悪そうに肩頬を上げて笑うと運転手に指示を出して綾瀬から車が離れて行った。綾瀬はその車が見えなくなるまでその後ろ姿を見送った。
その夜、交換したばかりの連絡先に｢お前、知っていやがったな？｣と跡部からの連絡が届いたのだった。
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墺士(プロフ) - ふれあさん» コメントありがとうございます！ゆっくり更新ですが、気ままにお待ちください！ (5月1日 18時) (
レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
ふれあ(プロフ) - 毎日の楽しみになってます！更新大変でしょうが頑張ってください！待ってます(*^^*) (4月11日 3時) (レス) id: eb7563639c (このIDを非表示/違反報告)
墺士(プロフ) - ぱーぷる姫さん» コメントありがとうございます！！続き投稿遅くなっておりますが気長にお待ちください😣 (2月20日 22時) (レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる姫(プロフ) - 全部一気に1日で読んでしまいました。続きを心の底からお待ちしてます！ (2月15日 20時) (レス) id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
墺士(プロフ) - ゆーき。さん» 挨拶ありがとうございます。あけましておめでとうございます。私の読者の皆様には道を踏み外してほしく無く、意見を出させて頂きました。特に誹謗中傷があったわけではありませんので深く考えず、このまま応援してくださると嬉しいです😊♥️ (1月15日 17時) (レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：墺士 | 作成日時：2024年1月6日 19時
