危機的状況 ページ14
時刻は八時、五分前。今から逃走中が始まる予定だったのだが、あっという間に左右を固められ綾瀬は項垂れた。
｢ちょっと……赤也くん、幸村くん……｣
｢ほらほらほら！行こうよ！ねぇ！真田！｣
幸村が何故こんなにテンションが高いかというと、彼なりに真田の恋愛を手伝って上げているのだ。
下手すれば諦めるだなんて言う彼のために人肌脱いでやったのだ。裸の付き合いでもすればもっと心を打ち解けやすくなるだろうと。
｢A先輩！行きましょ！｣
｢いや、まだ俺、着替え取りに行ってないからさ……｣
綾瀬が八時になるまで何をしていたかと言うと、ジャッカルと柳を探していたのだ。ジャッカルにはどうにかこうにか引き留めてくれ！とお願いし、｢……出来たら、な…｣と曖昧な返事を貰っていた。
しかし、一番頼りの柳は探しても探しても見つからず、こうなったら最後まで逃げ切ろうと腹を括っていたのだが、幸村と赤也に両腕を取られ、今に至る。
｢じゃあ！部屋までついて行くよ！｣
｢いやいや、先に風呂に行っててくれ、すぐ行くよ｣
嘘だが。
｢えー、じゃあ真田が、ついて行ってあげなよ｣
｢はぁ！？｣
真田が素っ頓狂な声を上げた。
｢だ、大丈夫だって！俺すぐ向かうし！｣
｢本当に？｣
｢ホントホント｣
嘘だ。
｢やけに必死なんだよなぁ……｣
察しのいい言葉にうぐっと言葉が詰まった。
そりゃ必死にもなる。
私は女なのだ。もう一度言おう。女なのだ。
こんなところでバレる訳にはいかない。そんな必死な時に何故か不二から合宿中に言われた言葉を思い出して気分を害す。
｢バラした方が生活しやすくないかな？｣
それは間違い無いだろう……。
だってこうやって危機的状況に陥ることは少なく無いはずであるし、バラした方が楽だろう。
でもそれは……自分の決めたルールに反してしまうのだ。
本当は誰にもバレずに卒業し、精神的に自律をさせて地元に帰ることが目標だったのだ。
しかし、二人にはバレてるし、他校にはもうめっちゃバレているしあまりにも自分が情けない……。
これ以上バレる訳にはいかないのだ。
それにみんなも男だと思っていた友人が女だったら嫌な気持ちになるだろうし。
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墺士(プロフ) - ふれあさん» コメントありがとうございます！ゆっくり更新ですが、気ままにお待ちください！ (5月1日 18時) (
レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
ふれあ(プロフ) - 毎日の楽しみになってます！更新大変でしょうが頑張ってください！待ってます(*^^*) (4月11日 3時) (レス) id: eb7563639c (このIDを非表示/違反報告)
墺士(プロフ) - ぱーぷる姫さん» コメントありがとうございます！！続き投稿遅くなっておりますが気長にお待ちください😣 (2月20日 22時) (レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる姫(プロフ) - 全部一気に1日で読んでしまいました。続きを心の底からお待ちしてます！ (2月15日 20時) (レス) id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
墺士(プロフ) - ゆーき。さん» 挨拶ありがとうございます。あけましておめでとうございます。私の読者の皆様には道を踏み外してほしく無く、意見を出させて頂きました。特に誹謗中傷があったわけではありませんので深く考えず、このまま応援してくださると嬉しいです😊♥️ (1月15日 17時) (レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：墺士 | 作成日時：2024年1月6日 19時
