バーベキュー ページ13
合宿最後の夜だということで夕食はバーベキューをすることになっている。
そんなみんな浮かれて楽しみなイベント前だと言うのに、綾瀬だけはブルーな面持ちで午後の練習を終えた。
何が問題かって…それはお風呂である。
とりあえず、みんなに捕まる前に逃げ延びればいいとは考えてみていたが、そう易々と逃げられるのか。
バーベキューを終えて風呂、というタイミングになる前に、どうにかこうにか柳とジャッカルへヘルプを頼めないだろうか。
一年生も二年生も部活後だと言うのにその疲れを見せないかのように、流しそうめんの時と同じでキャイキャイ言いながら炭に火をつけたり野菜を切ったりしている。
私はひたすらにその野菜たちを焼いてを繰り返していた。
｢わっ、ここ野菜しかないね？｣
ブルーな元凶の男である幸村が綾瀬の隣に立った。
｢あ、いや…無心に焼いてたから…ね……。そうだ、魚介もあるんだししゃもとか焼こうか？｣
｢良いのかい？じゃあ頼むよ｣
幸村が居るところには人が多く集まる。綾瀬がせっせと彼の為のししゃもやイカを焼き始めるといつの間にか三年生達が集まってきた。
たわいも無い話で盛り上がっていつの間にかブルーだった気持ちも無くなってバーベキューもお開きとなった時、片付けを始めた幸村がそういえばと話しかけた。
｢今日はみんなでお風呂に入るだろう？八時くらいがいいと思うんだ、一二年も上がった後だと思うし、今日は流石に自主練しないだろう？だから綾瀬もその時間は空けててよ｣
ガシャンと何かが落ちる音がした。
音の方へ振り返ると、柳がトングが入った箱を床に落とし、ジャッカルは飲んでいた麦茶をダーと口から吐き出していた。
何故か柳生はゲッホゴッホと咳をし、丸井は肉を口の中に頬張ったまま目を見開いていた。
｢あ、あぁ………わかった…よ……｣
何がわかっただ。見てみろ柳なんて何があったんだっと凄い形相で綾瀬を見ている。違うんだ、柳くん。どうしようもなかったんだって…そう言い訳を紡いで、早めに事情を説明すればよかったと嘆いた。
｢八時だよ全員集合〜！｣
どこかで聞いたことのあるフレーズを幸村は言うとニコニコ笑った。まぁ、君が楽しそうでなによりだよ……。
こちらは全く楽しくは無いが。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 125人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
墺士(プロフ) - ふれあさん» コメントありがとうございます！ゆっくり更新ですが、気ままにお待ちください！ (5月1日 18時) (
レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
ふれあ(プロフ) - 毎日の楽しみになってます！更新大変でしょうが頑張ってください！待ってます(*^^*) (4月11日 3時) (レス) id: eb7563639c (このIDを非表示/違反報告)
墺士(プロフ) - ぱーぷる姫さん» コメントありがとうございます！！続き投稿遅くなっておりますが気長にお待ちください😣 (2月20日 22時) (レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる姫(プロフ) - 全部一気に1日で読んでしまいました。続きを心の底からお待ちしてます！ (2月15日 20時) (レス) id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
墺士(プロフ) - ゆーき。さん» 挨拶ありがとうございます。あけましておめでとうございます。私の読者の皆様には道を踏み外してほしく無く、意見を出させて頂きました。特に誹謗中傷があったわけではありませんので深く考えず、このまま応援してくださると嬉しいです😊♥️ (1月15日 17時) (レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：墺士 | 作成日時：2024年1月6日 19時
