2-㊼ ページ47
｢おや、
冷めた声が辺りを支配した。いつものように優しいアルトの声のはずなのに、酷く冷たい声に聞こえる。
凪彦は左手を刀に添えて、男達を睨みつけた。
｢だ、誰だ｣
顔を上げた男たちは、自分達より背は低いがいっちょ前に刀を差している凪彦を見て怪訝な顔をする。
｢その汚い手、離してもらおうか｣
｢てめぇ誰だ？｣
幼く小さい凪彦を見て、自分の方が優位だと思ったのか男は立ち上がって腕を組み。ニヤニヤした顔で睨み返した。
｢名乗るほどのもんでもねぇよ｣
凪彦は刀の鞘の
｢トウコ無事か？｣
｢ハイ！｣
｢なんだ、知り合いって理由ね｣
男は鞘で押されたというのに余裕そうな声を出した。
藤内が凪彦へ駆け寄り、凪彦はそれを抱き留める。なるほどなっと片口端を上げて笑った男が、じゃあと言って数馬へ手を伸ばした。
数馬はその手を掻い潜って、左手を自分の方へ向けて伸ばしている凪彦の肩口へ飛び込んだ。
男が、は？という顔をした。
｢わるいな、二人とも俺の女なもんでね｣
二人を両手で抱きしめて凪彦がそう言えば、男もとうとう沸点に達したようでイライラした顔で三人を睨みつける。
｢テメェみたいなガキが調子乗ってんじゃねぇぞ！｣
その、激昂と同時に孫兵が大きな声で叫んだ。
｢ジュンコ！！そんなばっちいの噛んじゃダメ！｣
その声に全員がその声の主である孫兵へ顔を向けた。
隣でもう一人の男から守るように、孫兵をタカ丸が抱きしめていたようだが、いつの間に出てきたのか孫兵の胸元から蝮のジュンコが飛び出しどうやらその男に噛み付いてしまったようだった。
それを見た凪彦と対峙していた男は、驚いて自分も噛まれちゃたまったもんじゃないと脱兎のごとく逃げて行き、噛まれた男も顔を青ざめさせて、途中蹴躓きながら相方を追うように逃げてしまった。
｢あっ、オイ！ばか！｣
凪彦はそう叫んで逃げてしまった男達の後ろ姿を呆然と見送った。
｢あ〜あ……アイツあのままじゃ死ぬぞ…｣
｢大丈夫ですよ先輩。ジュンコは毒を出してないみたいです、多少痺れるくらいでしょう｣
｢そうなのか？まぁ、ならその痺れは勉強代だな｣
凪彦は藤内と数馬を抱きしめたまま言った。
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墺士(プロフ) - 夜ながながさん» コメントありがとうございます！応援よろしくお願いします🤍 (12月11日 13時) (
レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
夜ながなが(プロフ) - 続編おめでとうございます！そしてありがとうございます！とても大好きな作品です🫶🏻💖これからも応援しています！ (12月11日 12時) (レス) id: ebecf52502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：墺士 | 作成日時：2023年12月11日 10時
