2-㊻ ページ46
外の椅子に一列で腰かけていた三人の元へ、若めの男が二人声をかけていたからだ。
｢ナンパか？｣
｢道聞いてるだけかも｣
｢齢十二に声かけるわけない、か。人攫いか恐喝か｣
｢そういう趣味か……｣
タカ丸の言葉の"そういう趣味"が、幼女趣味の特殊性癖という意味だとは分かってはいたが、凪彦は心底嫌そうな顔をした。
｢助けに行く？｣
｢いや…ちょっとだけ様子を見よう｣
凪彦はあの子たちが決めた課題にナンパされる。が入っている可能性も考えていた。
離れた場所から男たちを観察する。藤内、数馬、孫兵の順で座っている長椅子に、男たちはそれぞれ声をかけながら端に座って藤内と孫兵にベッタリくっついた。孫兵の方に座った男が孫兵の腰を抱き寄せる。
｢クソ、アイツ〜…。伊賀崎に触りやがって〜っ｣
｢な、凪彦くん…｣
｢だいたい忍たまならあれくらい自分でどうにかしろっ！｣
凪彦の小声にタカ丸は苦笑いした。
藤内と孫兵は嫌そうに男から距離をとり、数馬の方へ近づいた。
｢いいぞ！そのまま殴れ！殴れ！｣
｢凪彦くん……｣
凪彦の小声はヒートアップした。
男たちはなおも三人へ話しかけまた距離を詰めるようにグイグイ近づいていく。
｢ねぇ、いいじゃない。名前教えてくれよ〜｣
｢それともやっぱり許婿でもいるの？｣
そんな声が聞こえて｢ちっ、やっぱりナンパか｣と凪彦が呟いた。最近若い娘を攫ったり、路地に連れて行ったりという事件が増えていると聞く。ただのナンパならいいのだが、自分本位の男だったならば困る。
男が藤内の腕を引っ張り、藤内の口が｢いたい｣と動いたのを見て、とうとう凪彦はその場へ駆けつけた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 77人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
墺士(プロフ) - 夜ながながさん» コメントありがとうございます！応援よろしくお願いします🤍 (12月11日 13時) (
レス) id: 6957722078 (このIDを非表示/違反報告)
夜ながなが(プロフ) - 続編おめでとうございます！そしてありがとうございます！とても大好きな作品です🫶🏻💖これからも応援しています！ (12月11日 12時) (レス) id: ebecf52502 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：墺士 | 作成日時：2023年12月11日 10時
