また振られたんだって。【HQ】 (ページ5)

今日:6 hit、昨日:25 hit、合計:10,335 hit

04 ページ5

侑くんのことが嫌いなわけではない。むしろ、友達としては好きなのだ。

私は、「近寄りがたい」と言われることが多い。小中高、言われない年はないくらいには多かった。
仲良くなると、「イメージと違った」なんて言われるのはテンプレ。はたして、皆んなが私にどんなイメージを抱いているのか未だよく分からない。
だからか、私はお世辞にも友達が多いとは言えない。同じバスケ部以外の子だと、知り合い止まりの人がほとんどだ。
高校入学時に兵庫に越してきたから、殆どの地元の友達とも疎遠になってしまった。
しかし、侑くんは積極的に話しかけてくれたり、侑くんを通して友達ができたりもした。
それなりに感謝しているし、友達としては好きだ。あくまで友達としてだけれど。

「ツム、脈なしやな。同情なんか1ミリもせぇへんけど。まぁ、ウザなったら言ってな。俺からガツンと言ったる。」

宮くんからガツンと言ったら、双子乱闘が始まってしまうんじゃ、なんて考えたが『その時がきたら、宮くんにお願いしようかな。』なんてノッてみたりした。

「前から思っとったけど、宮くんって分かりにくいわ。治って呼んで。」

今まで気にしたこと無かったが、確かに宮くんからしたら、侑くんだって宮くんだ。
それに、名前呼びって仲良くなれたみたいで嬉しい。

『じゃあ、治くんね。』

「おん。Aさん。」

さらっと名前を呼ぶあたり治くんってモテそうだな、と思った。