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宮侑 side

暖かな春の季節、高校の入学式。俺は、新入生代表挨拶をしたあの子に恋をした。名前は、AA。
訛りの感じない標準語。透き通るような声。この距離からでも分かる整った容姿。全てに魅了された。直感にも近い、言葉では言い表せない感覚。
俗に言う一目惚れ。「一目惚れなんか意味わからへん」と思っていたが、瞬間これが一目惚れだと分かった。



  「好きです!付き合って下さい!」



入学式終わり、気づけば彼女の背中を追っていて、告白していた。目の端には、ドン引きしている自身の片割れが見える。周囲からの視線も痛いくらいに感じた。
中学の頃、クラスの女子が「関西弁で告白されても冗談かと思ってまうわ」と話していたのを思い出し、下手な標準語で告白した。



  『ごめんなさい。』



淡々とした一言に思わず「え?」と声が出てしまった。俺は、当然のようにOKされると思っていたのだ。
自分で言うのも何だが、己がイケメンであることは自負している。生まれてこのかた「かっこいい」と言われ続けてきたのだから、自覚がない方がおかしい。告白も、何度されてきたか分からない。
しかし、彼女の答えはNO。一瞬、理解が追いつかなかった。



  「何でや!!!!!!」



この日から俺のAちゃんへの片想いが始まった。
通算1回目の告白。1回目の玉砕。

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作者名:吉田 | 作成日時:2024年3月25日 19時

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