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一「俺はお前とは違うよ?雅人みたいになれない!ずっと上に立つ人間になれってそればっか言われて。勝手に道が用意されてる、ずっと。いっつもそう、他に行きたくても行けないんだよ!俺だってしんどいんだよ。」
わかってた。
兄ちゃんがいつも我慢してること
一「てか、親父が雅人の母親と関係持ってからうち終わってたし。親父も親父だけど雅人の母親も同罪だろ。」
は?
それ、言う?
兄ちゃんずっとそう思ってたのかよ。
「帰って。」
一「………」
「帰れよ!」
怒りやもどかしさが胸の中を占める。
部屋に帰ろうと部屋の前に行くと、紙袋がドアノブにかかってた
見るとそこには"ちゃんと食べろよ"と書いた付箋と餃子。
兄ちゃんに違いない。
感情的になって喧嘩したのはいつぶりだろうか、初めてなんじゃないか
こんなん…
そう思って餃子を捨てようとしたけど
捨てれなかった。
「なんなんだよ…」
多分、僕の心の中にいる兄はそんな奴じゃない
と分かっているから。
お互い感情的になってしまっただけなんだ
と分かっているから。
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作者名:なな | 作成日時:2023年11月4日 2時