お嬢様の王子様《大西流星》 (ページ21)

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母と初めての会話ページ21

～貴方side～

「お母さん、ちょっといい？」

母はびっくりしていた。
そりゃあそうだ。母と一対一でなんて話すことなんてこれまでなかった

母「初めてね。こうして2人で話すのは」

思っていたことは同じだったらしい

私は逃げていた

母と向き合うことに。

この家には味方が居ないんじゃないかと思いたくなかった

でも

「うん。どうしてもお母さんに聞きたかったんだ。」

母「ん？」

「どうして父さんと結婚したの？」

あんな自己中で女を道具としか思ってないお父さんに尊敬という言葉はなかった。

母「私は元々父さんの父さん、ななのおじいちゃんがまだ社長だった時にこの会社の社員として働いていたの。その時にお父さんと一緒にプロジェクトを成功させたことがあって、あの時のお父さんすごくキラキラしててかっこよかったのよ。ななが生まれた時もすごく喜んでくれたのよ。けどお父さんが変わり始めたのは社長になってから。お父さんはこの会社を守らなきゃ行けない使命感があったから焦っていたのかもね。どんどん自己中心になっていって気づいたら私の好きだった人は居なくなっていた」

母「なな。私はもうこの家に嫁いで来たからにはお父さんに逆らうことは許されない。だけど貴方はまだ間に合う。ななが幸せになって欲しい。私はそう思っているの。お母さんらしいことしてあげられなくてごめんね。」

お母さんは泣いていた

「ううん、お母さんがお父さんを好きだったように私にも大切で支えていきたい人ができたの。私、その人と幸せになりたい！」

母「ふふ、お母さんは応援してるよ」

母と向き合えて良かったと思えた夜だった