再び ページ15
私たちはあの時とおなじように裏口から入り、どこを回るでもなく大きな水槽の前にいた
何を言うでもなく、ただ水槽の中で泳ぐ魚を見ていた
次の沈黙を破ったのは私だった
「あの時のことなんだけど、」
流「うん」
言おうと思っていた
沢山後悔したから
「私、流星くんのこと好きだったよ」
流「え？」
「好きだったから、、、、、離れた。」
流「どうして、、、、俺がどんな思いで…………」
いつも「僕」という彼が「俺」と自分のことを指した
それだけでどれだけの思いをさせてしまったのか実感する
「ごめんなさい。」
謝ってもそれが欲しい言葉じゃないことが分かっていても
その言葉しか私にはいえない。
流「俺が信用ならなかった、？」
「違う。それは違う。」
違うんだよ。流星くん。
流「じゃあなんで、！？」
「失うのが怖かった。流星くん、すごく優しい人だから。一緒に戦ってくれるって思った時嬉しかった。でももしその場になったらきっと優しい流星くんは1人で抱えるでしょう、？そう思ったら私で縛り付けたらいけないと思った。」
流星くんを見ると泣きそうだからあえて水槽をみてた
「大切な人だったからだよ。」
ほんとに好きなんだなぁ、、、
「けど、結婚の話が進んでるの。」
流星くんがどんな顔をしているかなんて分からない
「もう、檻の中から出られない」
流星くんのことをみずとも"それ"は私の頬を伝った
「辛い思いをさせて、、、ごめんなさい」
そう流星くんを見ると切ないようなそんな顔をしていた
流「苦しみは半分こだよ。そう教えてくれたのはななだよ。もう僕のこと好きじゃない、？」
私は精一杯首を横に振ると
流星くんの大きな瞳にはたくさんの水が溜まってて
流「好きだ」
その瞬間"それ"はこぼれ落ちた
私のせいで優しい彼の世界を汚してしまった
流「ななが僕を必要としてくれるなら僕は隣で支えたい。家の事、そんな簡単じゃないことくらい僕にもわかる。だけど、幸せになるならななとがいい。僕と付き合ってください」
2度目の告白。
あの時いえなかった言葉
後悔した日々
ここ数ヶ月苦しかった
貴方の存在がどれだけ大きいことか気づいた時間
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作者名：なな | 作成日時：2023年9月20日 0時
