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教師と生徒 上白沢慧音 ページ2

「先生!慧音先生!」

私は久々に出会った恩師に手を振る。
恩師は白くて綺麗な髪を揺らし、駆け寄る私を見た。

「お久しぶりです、慧音先生」

私がそう言うと、先生は私の顔をまじまじと見つめた後、ハッと息を飲んだ。

「Aか!大きくなったな!あまりにも綺麗だったから、一瞬誰だか気付かなったぞ」

綺麗。

その言葉を聞いた私は、嬉しくて顔が熱くなるのを感じた。

「や、やめてくださいよっ。お世辞でも照れるじゃないですか!」

「はは、お世辞なんかじゃないぞ〜」

そう言って私の頭をぽんぽんと撫でる先生。
目を細め、優しい笑顔で私を見ている。

そんな慧音先生を見て、私の心臓はきゅっと締め付けられた。

私は慧音先生が好きだ。

彼女の生徒だった頃からずっと。

今日は、ただ会うために先生の所に来た訳じゃない。

「先生」

声が震えた。
心臓が破裂しそうなくらいにどきどきする。

「…どうした?」

先生は、そんな私の様子を見て、心配したような声色で答えた。

私は大きく息を吸って、言った。

「私、先生に言わなきゃいけない事があるんです」

心臓の鼓動が激しくなる。

先生は黙って私の話を聞いていた。

「私…その……先生…。あの………」

…次に言う言葉が出てこない。

もごもごと喋る私は相当滑稽な姿だったのだろう。
慧音先生はくすりと笑った。

「A、私もお前に言いたいことがあったんだ」

「……え?」

先生が、私に伝えたいこと……?

私が聞き返そうとした瞬間、慧音先生は私を優しく抱擁した。

…何が起こったのか、しばらく理解ができなかった。

慧音先生はそんな私の様子など知らず、耳元でこう囁いた。


「…好きだ、A。お前が生徒の頃から、ずっと」


…?


「私と共に、新しい歴史を作っていかないか?」


しばらくして、私はこの状況と慧音先生が放った言葉を理解していった。

鼓動が激しくなり、顔もこれ以上ないほどに熱くなる。
驚きのあまり、声も出なかった。

「…おや、そろそろ授業が始まるな」

そう言い、先生は私から離れ、寺子屋の方へ向かって行った。

そして、私の方を振り向き

「…私の授業が終わるまでに返事を考えておくこと。わかったな、A?」

と、笑いかけた。

走り去る慧音先生の背中を見ながら、私は膝から崩れ落ちた。


「…そんなの、OKに決まってるじゃないですか……!!!」

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設定タグ:東方project , 百合夢 , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
関連タグ:WEST. , 特撮 , SEVENTEEN , strm , snowman , CR
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ミラン - わからないなら,検索してね☆ (2021年4月19日 1時) (レス) id: a8f34c5bc4 (このIDを非表示/違反報告)
ミラン - ラーメン侍さん» リクエストで,紅美鈴と藤原妹紅と犬走椛をお願いします!できますか? (2021年4月19日 1時) (レス) id: a8f34c5bc4 (このIDを非表示/違反報告)
ミラン - リクエストで,紅美鈴をしてください。 (2020年11月1日 15時) (レス) id: 4066cdd09a (このIDを非表示/違反報告)
ラーメン侍(プロフ) - 博麗咲夜 さん» ありがとうございますー! (2019年5月10日 0時) (レス) id: 60eac0d6fd (このIDを非表示/違反報告)
博麗咲夜  - 凄くよかったです! (2019年2月18日 22時) (レス) id: 88aff455de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ラーメン侍 | 作成日時:2018年11月16日 17時

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