【彼女のことを観察する回】 ページ46
時系列は爪(第7)と戦ったあとです！息抜きに描きたいな〜って思って描きます！ずっと花沢くんsideです。
______−−−
｢あの、Aがっ男と！歩いてたんだっ！！｣
そうやって自分なりにかなり焦りながら伝えたつもりなのに目の前の影山兄弟と霊幻さんは全く顔色を変えなかった。
別に変えて欲しかった訳でもないけどそこまで表情が変わらないと心配になる。
｢そりゃあAも年頃の女の子なんだから歩くだろ｣
なんだか的を得てない霊幻さんの言葉に僕は頭をかいた。そういう事じゃないんじゃ…と弟くんだけが言ってくれる。
｢今まであんなに花沢さんに抱き着いてたのにってことですよね｣
｢そう！いや僕自信が言うことじゃないと思うんだけどさ、なんていうか｣
ハキハキと喋れ無くなる。違う。いやなんか、Aが男と歩いているのがさ、なんて言うか、
｢嫉妬…？｣
｢!?!?!?!?!?｣
モブくんの爆弾に思わず口が開いてその場の空気が凍った。僕の顔がみるみるうちに赤くなっていくのがわかった。隙をつかれたかのような顔だと思う。
｢ははぁーん？？？なるほどな〜？｣
ニヤニヤニヤと楽しそうにニヤつく霊幻さんに僕は怒る気も失せて口を覆うしか無かった。
｢それ本人に伝えてみたらどうだ？血涙流して喜ぶだろ｣
｢言えるわけないじゃないですか…｣
まだ熱の冷めない顔でできる限り睨みを聞かせて言う。
霊幻さんはまだ楽しそうだ。良かったエクボくんがいなくて。エクボくんが居たら更に酷いことになってたはずだ。
｢じゃあその相手の方締め上げたらどうですか｣
｢僕もさ考えたんだけどその相手の人が全く誰かわからなくて｣
｢考えたんだ…｣
顔もはっきり見えなかったんだと言えばうなり出した弟くん。あんなに楽しそうに男と話してたAは初めてだ。だって幼稚園の頃から一緒だけどそもそも男と話すこと自体が苦手なのだろう。会話の中で僕の話が出たりしない限りちゃんと話さないと思って…たんだけど。
｢どこの中学校の人かも分からなかったの？｣
｢ああ、それは制服が黒酢中だったから多分同じ中学校だと思うんだ｣
そう。顔も見えなかったけど制服は目立つわけで同じ制服の異性ふたりが仲良く歩いててまるでカップル…
｢決めたよ。相手を潰す｣
｢今までの話し合いはなんだったんだ｣
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作者名：えすめ | 作成日時：2022年12月23日 19時
