”強”テルくん教信者【花沢輝気】 (ページ44)

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44.撃ち抜かれテル…！ページ44

ガシャンっ

私の体がたたきつけられて沢山の物が棚から落ちてきた。痛む体が動かずしゃがんだままだ。
このおばさんしぶとい。

また向かってくるパンチをもろに腹で受けてしまい私は血を吐く。そして次は左頬にパンチ。

パシっ

｢ッ｣

何とか手のひらで受けたパンチ。怯んだすきに思いっきり頭を殴ると白目を向いておばさんが倒れた。

私に倒れ込んできたおばさんを退けて立ち上がる。だらりと失神したおばさんにさっきの子供が走ってきた。何かを叫んでいる。

頭(かたいもの)を殴ったせいで拳までヒリヒリする。

私は意識が朦朧とする中で頭をかきながらフラーっと部屋から出た。

『左腕折れてるよなあ…しかも身体中痛い〜』

ひえーんと言いながらまた前からでてきた雑魚を蹴り飛ばした。次は右かなあと適当に道を曲がった。

『でも顔面は死守した。私は偉すぎる』

『テルくんに愛の治療して貰((パァン！！！！！！！』

バタン。

・

｢Aっ、A！！！｣

『ぅぇ、あ』

揺さぶられて意識が戻って目を薄く開けると焦った顔のテルくんが視界に入った。

瞬時に抱きつこうと思って起き上がると身体中が傷んで私はまた地面に寝っ転がった。

｢大丈夫！？｣

『待って、身体中痛くて痛くて、死ぬかも私』

ゆっくりと起き上がって座る。

じっくりと見ると適当に巻かれた左腕と止血だけされている頭とか体、殴られた腹部が紫に変色している。

そして右肩が謎にすごく痛む。

『待って私、撃たれた？』

｢起きたか怪力女｣

テルくんじゃない声が頭上から降ってきて私は顔を上げた。メガネにオールバック、顔に傷。

｢俺の呪玩エアガンで撃ち抜かれ、倒れたから俺がここまで連れてきた。槌屋を倒したのはお前か｣

『おばさんの事か…！？あいつのせいでこちとら全身バキバキだし、その前のお姉さんのせいで寒くて死にそうだし挙句の果てに肩撃ち抜かれてなんなんだほんと…』

｢(炎藤もこいつだったのか…！)｣

｢1番重症だよ。モブくんも弟くんも特に大きな怪我は無いし…｣

『でもテルくん見れたから私もう大丈夫』

真顔で真剣に言えばあ、そうとだけで片付けられてしまった。辛い。