”強”テルくん教信者【花沢輝気】 (ページ36)

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36.ちょっと痛いオジサンページ36

「思ったより早かったな」

『光の速さって奴だ』

明らかに爪の幹部であろう人が中心となりその左右に全身タイツの男の人が立っている。

「影山くぅーん？悪い子はどぉれだ？」

どうやらモブくんをお探しのようだ。
生憎モブくんはこの中で一番良い子だし見た目も1番無害そうだ。

わざとらしく首を傾げるちょっと痛いオジサン。

「あの人にいろいろ聞こうか」

「うん」

恐らくオジサンを心の底から軽蔑しているテルくんの声がちょっと低い。エクボは軽蔑の眼差しをオジサンに向けている。

ゆらりとモブくんが顔を上げた。

テルくんが手を挙げた瞬間オジサンが少し警戒して1歩下がった。

『来い』

ボソッと呟くとカサカサと音がして小さな虫がオジサンに向かっていった。それはドンドン増えていってオジサンの目の前に巨大な影を作る。

「な、なんだ虫かぁ！？」

その隙にダメ押しで背中に回って思いっきり

『っとらぁ！！！』

飛び蹴りを噛ましてやった。

「ぐはぁっ！」

なんとも簡単に倒れたので私はオジサンの上に乗りながら動揺する。

『えっえっ』

「虫で倒すんじゃねえのか…」

『虫が人を襲うとことか見たくないでしょ…』

「よし。Aそのままソイツ縛り上げるよ」

『え。いいな』

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