”強”テルくん教信者【花沢輝気】 (ページ31)

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31.面白くないなんてページ31

ぞろぞろと目の前を歩く大量の不良達。みんなしてどこへ行くんだろ。みんな違う制服だし…。

『妖怪大戦争ならぬ不良大戦争なんつって〜』

「お前のつまらなさは1級品だな」

生意気な猫の長を睨みつけ、不良をそのまま見送った。

・

『あぁ！！テルくんいる！！』

対抗の横断歩道を歩くめちゃくちゃ特徴的な頭。間違いなくテルくんだ。私は横断歩道のボタンを連打して信号が変わった瞬間走り出した。

寸前で思いっきりジャンプするとテルくんの束縛術で空中で止められた。とても気持ち悪い格好で空中に浮いた私をテルくんがゆっくりと振り返った。

「ああAか。どこの変態かと思ったよ」

『テルくんどこ行くの〜私はテルくんとならどこまでも行くよ』

「ちょうどいい！お前もこい！」

『あ？』

つい地声が漏れて下を見るとテルくんの横をフワフワと飛ぶ緑の風船みたいな物体…。

『あれ、エクボ。なんでテルくんと』

「律と茂雄があぶねえんだ！助けてくれ！」

『えっ律とモブくんが？』

「ってことだ。ほら行くよ」

そう言って歩き出したテルくん。私は恥ずかしい格好で浮いたままだ。

『あのぉ…テルくん…この格好で街中を歩くのはちょっと流石の私でもぉ…抵抗があって…』

「横を歩かせると僕に抱きついて離れないだろ」

『くぅ…！』

その通りです…！

・

『やっぱりな！律になんか違う気配感じてたんだよ。やっぱりエクボだったんだ！』

「茂雄に怒られるだろうな…くそ律の奴力に溺れやがって」

「だから僕が忠告したじゃないか」

そう言っているうちに明らかに騒がしい路地裏に着いた。群がる傷だらけの不良達。そっかさっきの不良達は律とかと戦おうとして集まってたのか。

きっと真ん中にいるのがモブくんだ。白いTシャツで棒立ち。見覚えのあるキノコ頭。

「おい。彼から離れろ」

テルくんがそう言うと私はテルくんの超能力が解けてそのまま地面に着地した。

不良が一斉にこっちを見た。私は怖くてエクボの頭を反射的に掴んだ。エクボが文句をたれる。

「まだ近づくのは危険だぞ」

モブくん暴走したあとか。
他の奴らと比べ物にならないくらいボロボロだ。きっと意識も飛んでいるんだろう。モブくんは振り返らない。

「お前は…黒酢中の…！」

「彼をここまで追い詰めるなんて信じられない只者じゃないか」

「男も律の姿もない…一足遅かったか…！」

私はモブくんに近づいた。