”強”テルくん教信者【花沢輝気】 (ページ24)

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24.寒いページ24

『もうやめて、もういいから！！！』

やめてよ！！と竜巻に叫んでも実際に私からは声は出ていない。私は暗く寒い場所で閉じ込められている。

あぁそっか。泣いてるんだ私今。だから超能力が暴走してるんだ私の意思関係なく。

助けて、助けて誰か。

体から力が抜けて自分の体が冷えていくのがわかった。指先が震えている。

寒い。

私のエネルギーを勝手に消費して勝手に暴走しやがって私の超能力め。

あんた(超能力)が居たから私は家族に捨てられたんだ。あんたがいたから、

『お”まぇ”え！！超能力の分際でぇ！！！』

あっ声出た。
でも私は目の前に移る超能力が見てる竜巻を見るだけだ。

手を動かそうにも私の意思では動かせない。

なんでよ。この体の主導権はあんたなの？意味わからない。

「だって私の方が強いもん」

声がして振り向くと私と全く同じ容姿の人がいる。へたり混んだまま私はきっと間抜けな顔をしているだろう。

そんな私を見てもう1人の私が鼻で笑った。

私の怒りの導火線に火がつく。

『あ”ぁ！？！？』

「ほら。挑発にも簡単に乗っちゃってさ。しょうもないねあんた」

『殺す』

寒くて凍えていた足を動かしてそいつの目の前に辿り着いた。そして思いっきり拳を振り上げて振り下ろした。

ニヤッともう1人の私が笑うと私の体は宙に吹き飛んで気付いた時にはまた床にへたり混んでいた。たらりと鼻血が出てきた。

「わたし(超能力)がいないあんたはこんなに弱いのに。私の事拒絶するんだ。いいんだ！そういうことして！！」

だって

「わたしのこと認めないならわたしもあんた認めないから！！あんたの事いらないから！！一生この中でテルくんのこと呼んでなよ」

そう言うともう1人の私が背中を見せた。

タッと私の足が床を蹴る音がするともう1人の私が振り向いて、

バキッ

思いっきり頬を殴ってやった。
信じられないという顔をしながら次はもう1人の私が床にへたり混んだ。

『油断しやすいとこは私と一緒らしいね』

そう言って私はもう一度笑いながら鼻血をふき取った。