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「Aちゃん」
女の子の顔とは思えないくらいの泣き顔で女の子とは思えない声で女の子とは思えない暴れ具合を発揮していた私の名前を呼ぶ。
幼なじみのテルくんだった。
毎日毎日告白されるほどの顔の良さだった。幼なじみでいいなって腐るほど言われた。
でもほんとにどうでもよかった。
だって私はいつも家の前を通るかっこいい男子高校生のほうが好きだったから。
毎日毎日みんながテルくんにキャーキャー行ってる間私は小さい子可愛い特権をふんだんに使って男子高校生になでなでされていた。
幸せだった。
しかし
まさかテルくんが泣き途中の私に声をかけるなんて思わなかった
そして
「Aちゃんは泣かないほうが可愛いよ」
私の脳天から足の爪までズドーンと雷が落ちた。
テルくん教 強信者が爆誕した。
2.信者が産まれるまで ページ2
小さい頃、私はものすごく泣き虫だった。
幼稚園児のとき目の前で自分のおもちゃに触れられただけで狂ったように泣き叫んで新人の保育士さんを逆に泣かせたこともある。
そう。
泣いたら手に付けられないと言われる問題児だったのだ私は。
私が泣けばベテランのおばさん保育士が飛んできてファンデで塗り固めた顔を近づけて来る。
私はそれでやっと馬鹿馬鹿しくなって真顔に戻った。
しかしベテランの先生はいつだって多忙だ。
幼稚園バスの手配、保護者の相手、他の子達の世話。
最初に言った通り私は泣き虫。
泣く頻度が他の子に比べるととても多い。毎回毎回ベテラン保育士が来れるわけない。
そんなある時ベテランが来れない事態、私は一緒に遊んでいた大して仲良くない女の子のよだれが床に落ちたのを見て泣き出した。
私の狂気じみた泣き顔を見て新人保育士も泣き出し、状況が分からない他の子達も泣き出し地獄化した保育園内。
女の子の顔とは思えないくらいの泣き顔で女の子とは思えない声で女の子とは思えない暴れ具合を発揮していた私の名前を呼ぶ。
幼なじみのテルくんだった。
毎日毎日告白されるほどの顔の良さだった。幼なじみでいいなって腐るほど言われた。
でもほんとにどうでもよかった。
だって私はいつも家の前を通るかっこいい男子高校生のほうが好きだったから。
毎日毎日みんながテルくんにキャーキャー行ってる間私は小さい子可愛い特権をふんだんに使って男子高校生になでなでされていた。
幸せだった。
しかし
まさかテルくんが泣き途中の私に声をかけるなんて思わなかった
そして
私の脳天から足の爪までズドーンと雷が落ちた。
テルくん教 強信者が爆誕した。
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作者名：えすめ | 作成日時：2022年12月23日 19時
