日時日常 ページ10
「相変わらずメッチャ食べるな…いっそ清々しいわ」
無言で食べ進める私と翔真を呆れた顔で見る吉乃さん。スプーンを咥えたまま手拭きで手を拭いた。
「吉乃さんそれで足りるんですか」
「いや普通足りるやろ」
これポテトあげるわと吉乃さんが私たちの方にお皿を滑らせる。
数分前、ここに連れてこられたあと吉乃さんが1人で座るから2人でそっち座るでいい?と聞かれ、翔真が「大丈夫です」と1つ返事したことから、このような席なわけだ。
特に何か言うつもりは無い。
「ていうかちょっと…さっきからずっと袖下がってるねんけどちゃんと隠しいや!」
翔真の右腕の袖を治す吉乃さんをみてピキリと固まる。
恋人じゃん。
口から落としそうになったスプーンを慌てて噛む。
もちろん私と翔真は大学も一緒なわけだから一緒にいる時間も吉乃さんより長い訳だが。こんな、袖を治すなんてそんな、恋人紛いのことしない。
否、出来ない。
その時点で大分負けてるわけなのだが。
それを実感したこの一瞬の出来事に固まっている間に吉乃さんと翔真の会話は進む。
「アンタらも霧島もなんでそんなもん入れるんやろ」
「…」
刺青の話になっていた。
霧島。深山総長の孫息子。深山霧島。
そう。吉乃さんには蓮二さんが選んできた好青年(蓮二さん曰く)の御相手がいらっしゃる。
もちろん私も翔真も会ったことがないしほんとに好青年なのかも知らない。
「その男どんな男なんですか」
『…』
まぁ、翔真からすれば自分の恩人が選んだ好青年が好きな人と交際を始めようと言うならばかなりドロドロした感情が沸きあがるに決まっとる。
そして自分の恋が全く報われていないことを目の前で改めて実感させられた私が一番可哀想だ。
170人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えすめ(プロフ) - 桔梗さん» コメントありがとうございます♡♡♡♡いやいや、神作者だなんて、ほんとに恐れ多いです(>_<)💦コメントほんとに励みになります!!どうかこれからもこの作品をよろしくお願いします! (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
えすめ(プロフ) - 姫華さん» 返信遅れてしまい申し訳ございません(>_<)コメントありがとうございます!ノロマでゆっくりゆっくりの更新ですがどうかよろしくお願いします! (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
えすめ(プロフ) - みさん» 返信遅れてしまい申し訳ございません(>_<)コメントありがとうございます。本当に励みになっております。これからもゆっくりではありますが更新しますのでよろしくお願いします (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 稀に見る神作者様だ、、、 (1月16日 12時) (レス) @page42 id: 941a02d5aa (このIDを非表示/違反報告)
姫華(プロフ) - 面白すぎます😭🩷更新頑張ってください! (12月6日 20時) (レス) id: d9923ab57a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:えすめ | 作成日時:2022年1月16日 23時