考え過ぎた末路 ページ9
他人から見たらもうカップルはあの二人だ。
なんなら私は二人の仲を引き裂く意地悪女か?
『吉乃さん、トイレ行きたいです漏れます』
「女の子が言わんのそういうこと!!」
吉乃さんにトイレの道を教えて貰ってトイレに向かう。
『はぁ、おもんな』
吉乃さんが見えなくなったところでそう零した。
これは、吉乃さんに向かっていった訳でもないし翔真に言った訳でもない。ただ、私にとって都合が悪すぎて楽しくないこの状況に向かって。
トイレのドアを開けて、何枚もの鏡があるうちの1枚の前に立った。
公衆トイレなのに私以外誰もいなかった。
私は吉乃さんに比べれば化粧はしている。
吉乃さんなんてほぼすっぴんであの可愛さだ。
ほんと参っちゃう。
一通り化粧を治してから外へ出た。まだ戻りたくなくてベンチに腰掛けた。
買ったペットボトルの水を飲む。
深呼吸をして景色をボケーッとみているうちに20分が立っていた。
戻らんと。
・
「あ!やっと来たわ」
『スマホ持ってなくて』
「あんたはスマホだけなしか」
呆れた顔をして吉乃さんが言った。
「夕飯食べに行くで」
『何食べるんすか?』
「なんでもえーよ。何食べたい?」
『翔真は?』
「俺もなんでもいい」
『じゃあ食べ放題がいい!』
決まりそうにないので私が意見をいえば吉乃さんが美味しいところがあると先陣を切っていった。
着いていこうとトランクケースを持ち上げると翔真が横を通り過ぎた。
「迷子になったらめんどくさいから動き回んな」
ピキっときて眉間に皺を寄せた。
『ちゃんと戻ってきたやろ』
「2回目はすんなってことや」
そう言って翔真が吉乃さんの隣に並んで歩いていった。自然と出た舌打ちに昔の記憶がフラッシュバックする。
【『1晩付き合ってやったのに2万ぽっちかよ』】
【チッ】
『ぁ、』
「A?」
吉乃さんが不思議そうな顔で立ち尽くす私を振り返った。
『なんでもないです』
ほんとめんどくさいな私。
舌打ちされた訳でもないのに。
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えすめ(プロフ) - 桔梗さん» コメントありがとうございます♡♡♡♡いやいや、神作者だなんて、ほんとに恐れ多いです(>_<)💦コメントほんとに励みになります!!どうかこれからもこの作品をよろしくお願いします! (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
えすめ(プロフ) - 姫華さん» 返信遅れてしまい申し訳ございません(>_<)コメントありがとうございます!ノロマでゆっくりゆっくりの更新ですがどうかよろしくお願いします! (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
えすめ(プロフ) - みさん» 返信遅れてしまい申し訳ございません(>_<)コメントありがとうございます。本当に励みになっております。これからもゆっくりではありますが更新しますのでよろしくお願いします (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 稀に見る神作者様だ、、、 (1月16日 12時) (レス) @page42 id: 941a02d5aa (このIDを非表示/違反報告)
姫華(プロフ) - 面白すぎます😭🩷更新頑張ってください! (12月6日 20時) (レス) id: d9923ab57a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えすめ | 作成日時:2022年1月16日 23時