泥沼化 ページ8
『ここ?』
「そう言ってたで布袋さんは」
翔真が布袋さんにメールを送りながら言った。オシャレな繋がった英語の看板に入る気が失せる。こんな所絶対坊ちゃんしか居ないよ。
『しゃあなし』
翔真がドアを開けるとカランカランと音がした。
髪のサイドをクルクルと巻いた女の定員がいらっしゃいませーと言いながら出てくる。
「何名様でしょうか?」
「あー、連れです」
「どうぞー」
翔真の後ろにくっつきながら進む。キャッキャと楽しそうに話す人達の目元はキラキラと光っていて、目がカチカチする。
「おい翔真。吉乃用事あるらしいぞ」
「え?」
布袋さんの言葉に吉乃さんが後ろの私たちを見た。
「…どうも」
翔真が挨拶をすれば吉乃さんが目を大きくした。
「えっ!?来たんここまで!」
「送んのめんどくさくて」
「うわ、前送り方おしえたったやろ」
「あれ!?Aも来たん?」
吉乃さんが翔真の後ろで見えにくかった私を見つけて嬉しそうに笑った。
その姿がすごく綺麗で心が癒された。それと同時に負けたと考えてしまって複雑な心境になる。
『こんにちは。吉乃さんに会いたかってん』
「嬉しいわ!元気にしとった?てかあんたまた痩せたやろ!」
『えーほんま?ちゃんと食ってんけどな』
「まぁ
呆れた顔をして吉乃さんがまた翔真に目を移した。カチリと固まる。
「待って。あんた、荷物は?」
「?なんのですか」
「
「あぁ、ないです」
「はぁ!?!?」
・
「あんた普通手ぶらで来る!?着替えくらい持ってくるやろ!」
「いや俺吉乃さんにこれ渡すために来ただけなんで」
翔真がアルバムの入った袋を差し出した。吉乃さんが服を持ちながら返答する。
「アルバムやろ!?それはありがとう!でもこっちで1泊するやんな!?」
「はい」
「ホテルは予約するのに荷造りは面倒やからせえへんって物凄い矛盾感じるわ…」
「もうこっちで揃えたらええかなと思って」
吉乃さんが翔真の腕を引っ張って更衣室へ連れていく。
その後を着いていくだけの自分がとんでもなく醜く見えてくる。
なんだほんとに私ってバカみたい。
化粧づいて可愛ー服きて髪巻いて。
それでも吉乃さんには勝てんのよ。
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えすめ(プロフ) - 桔梗さん» コメントありがとうございます♡♡♡♡いやいや、神作者だなんて、ほんとに恐れ多いです(>_<)💦コメントほんとに励みになります!!どうかこれからもこの作品をよろしくお願いします! (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
えすめ(プロフ) - 姫華さん» 返信遅れてしまい申し訳ございません(>_<)コメントありがとうございます!ノロマでゆっくりゆっくりの更新ですがどうかよろしくお願いします! (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
えすめ(プロフ) - みさん» 返信遅れてしまい申し訳ございません(>_<)コメントありがとうございます。本当に励みになっております。これからもゆっくりではありますが更新しますのでよろしくお願いします (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 稀に見る神作者様だ、、、 (1月16日 12時) (レス) @page42 id: 941a02d5aa (このIDを非表示/違反報告)
姫華(プロフ) - 面白すぎます😭🩷更新頑張ってください! (12月6日 20時) (レス) id: d9923ab57a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えすめ | 作成日時:2022年1月16日 23時