私の顔は不安定 ページ43
『うわぅ』
『相変わらず京都駅広いな…。なあ翔真』
人にぶつかりそうになって声を上げながら翔真の方を見ると横にいる翔真はいち早く携帯を耳に当てていた。
チッ。と思わず漏れた声と歪んだ表情と共に私は再度京都駅を見渡した。
クソ、隣にこんな美人がいるのに他の女に電話をかけるなんて間抜けが。
隣から敬語を使う翔真の声が聞こえてくる。
それを左から右に流して私は自分の足元を見る。
今日のために新調したブラウンの生地に足首の部分だけ白い毛皮の着いたブーツだ。
モコモコで可愛い。と思って新調した。今日、ただでさえ可愛い私をさらに際立たせて、翔真の横で歩く為に。
大学からずっと履いてた訳だがこれからは旅行だ!旅行!
最低限のオシャレはしたい。
熱いけども。熱いけど!今は暖かい陽気でブーツなんて似合わないとも思ったけど翔真の元カノがモコモコしたもの沢山きてたから、そう思っていつもモコモコを探す。
健気____。
ツー…ツー…
と音がして私は顔を上げた。
眉間に皺を寄せた翔真の顔を見て私は翔真の言葉を待った。
「お前ここいろ」
その言葉の意味がわからず、私は一瞬黙った。
「それかもう家戻ったらええ」
『え?ちょ、ち』
慌てて翔真の後を追おうとすると私はブーツでそのまますっ転んだ。
なんて馬鹿なんだ________!!
何故こんな動きにくい靴できた!?
半ズボンできたため膝を擦りむいたことがひと目でわかった。
傷口を見たくなくてゔぅ…と唸りながら必死に目線を逸らした。
するとまた足音が戻ってきて私の前で止まった。
「お前って急にどん臭くなんのなんなん」
私が顔を上げると翔真が呆れたように私を見下ろしていた。
そのままギュッと私の手を握って立ち上がらせる。
「ちゃんと帰れよ」
そう言うとまた背を向けて歩き出した。
私はただ眉を八の字にしてその場に立つことしかできなかった。
ゆっくりと翔真が掴んだ手のひらを広げると5000円札が折り畳まれて入っていた。
私はギュッと口端を結んで眉間に皺を寄せた。
そんな優しさやなくて、もっとちゃんとした優しさが欲しいだけなんに。
/____
コメントほんとにほんとにありがとうございます!!ノロマなのに待ってくださっている方々にはほんとに感謝しかないです。
私なりに頑張って更新しますのでどうかこれからもよろしくお願いします。
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えすめ(プロフ) - 桔梗さん» コメントありがとうございます♡♡♡♡いやいや、神作者だなんて、ほんとに恐れ多いです(>_<)💦コメントほんとに励みになります!!どうかこれからもこの作品をよろしくお願いします! (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
えすめ(プロフ) - 姫華さん» 返信遅れてしまい申し訳ございません(>_<)コメントありがとうございます!ノロマでゆっくりゆっくりの更新ですがどうかよろしくお願いします! (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
えすめ(プロフ) - みさん» 返信遅れてしまい申し訳ございません(>_<)コメントありがとうございます。本当に励みになっております。これからもゆっくりではありますが更新しますのでよろしくお願いします (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 稀に見る神作者様だ、、、 (1月16日 12時) (レス) @page42 id: 941a02d5aa (このIDを非表示/違反報告)
姫華(プロフ) - 面白すぎます😭🩷更新頑張ってください! (12月6日 20時) (レス) id: d9923ab57a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えすめ | 作成日時:2022年1月16日 23時