馬鹿な女の結末 ページ40
「…わたしに何させたいの」
「話早くて助かるよ。やっぱ奈緒は頭いいよな」
「もちろん本人には気取られるなよ場所はギリギリに俺が指定する。できれば霧島とつるんでるヤクザの孫娘も一緒に呼べ。そしたらマリファナの件も一緒に無かったことにしてやるよ」
「ヤクザの孫娘…?」
「俺も詳しくは知らないけど俺の知り合いは用事があるんだと。結構世話になってるから断れねえし」
「百歩譲って霧島くんはどうにか出来ても…私そんな女知らないわよ」
「桐ヶ谷組の幹部の孫だよ。染井組の組長の孫。確かヨシノって名前だ」
「吉乃…?」
「いいか。できるかできないかじゃない。もうやるしかないんだよ分かる?」
「もし自分の男売るみたいで罪悪感感じてるならそれこそ必要ないだろ」
「…は?」
「お前がヤクザとつるんでるって情報流したの他でもない深山霧島だからな」
「お前アイツに売られたんだよ。上手く男使い分けてるつもりがいいように使われて残念だったな」
「まあ今更後悔してもどうにもならないからよろしく頼むよ」
バタンと出ていってしまった小津くん。ふときれた緊張感とともに私は大きなため息をついた。
どうしようか。
今のところ深山霧島に変な情は湧いていない。小津くんに言われた通りに”ただ言われたことをやるしかない”。
頭痛と共に私は小津くんが出ていった方向とは真逆のドアに手をかけた。
音もなく空いたドアと共に視線をドアの先に移した。
「っ」
心の底から驚いて喉の奥から声ともならない空気の音が漏れた。力が一瞬抜けたが何とか持ち堪える。
「な、」
「あんた誰よ」
壁の暗闇にしゃがみこんで煙草を蒸かす女。
私がそう言えばこっちをちらりとも見ずに煙草を口から離した。
『やかましいなあ。休憩中なんやで黙っとき』
訛った言葉で毒を吐く女。
服装的に見るとこの店の店員か何かか。
人間味のない美形。それこそ小津くんが好みそうな女だ。
すると女は細く白い足を伸ばして立ち上がった。グリグリと煙草を踏みつける。
その絵になるような様を私はただ黙ってみるしか無かった。
…もしかしたら、今の小津くんとの会話聞かれてたかもしれないなんて考えもしなかった。
そんな私は次の言葉に呆気に取られた。
『あほな女好かんって言うのんはよう聞くけど、それあほな男に言われてもねえ』
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えすめ(プロフ) - 桔梗さん» コメントありがとうございます♡♡♡♡いやいや、神作者だなんて、ほんとに恐れ多いです(>_<)💦コメントほんとに励みになります!!どうかこれからもこの作品をよろしくお願いします! (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
えすめ(プロフ) - 姫華さん» 返信遅れてしまい申し訳ございません(>_<)コメントありがとうございます!ノロマでゆっくりゆっくりの更新ですがどうかよろしくお願いします! (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
えすめ(プロフ) - みさん» 返信遅れてしまい申し訳ございません(>_<)コメントありがとうございます。本当に励みになっております。これからもゆっくりではありますが更新しますのでよろしくお願いします (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 稀に見る神作者様だ、、、 (1月16日 12時) (レス) @page42 id: 941a02d5aa (このIDを非表示/違反報告)
姫華(プロフ) - 面白すぎます😭🩷更新頑張ってください! (12月6日 20時) (レス) id: d9923ab57a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えすめ | 作成日時:2022年1月16日 23時