落ちる ページ33
「繊細すぎるんよなぁ、Aちゃんは」
そうやって病室だと言うのに横で煙草を吹かすAのヤク抜きの使用人を睨む。
するとフハッと笑ってお前病室とかそんなん気にする奴やっけ?と言って煙草を潰した。
俺はまたAに視線を戻した。いつものようにコロコロ変わる表情も今は能面のように変わらずに眠っている。
「繊細な奴ほどヤクに依存するんやで」
全て知っているとでも言うかのように隣のヤツが言う。
「お前に人形言われたの相当きてたんやろ」
俺は耐えきれなくなってやつの胸ぐらを掴んだ。おいおいと余裕そうに笑いながら奴が両手を挙げる。
「図星か?あ?お前ならなんでも分かってくれとると思っとったんにそんなん言われて裏切られたと感じたんやろ」
その言葉にカーッとなっていた俺の頭の熱は急激に下がり冷静になった。
あぁ、そういう事だったのか。
ストンとそれが理解出来て俺の胸ぐらを掴む力も緩まった。
「全部わかってくれるのはお前だけ。そう信じてたんや。お前もお前のことを分かってくれるのはAだけ。そう思ってるんちゃうん?」
黙ってる俺に隣のヤツは小さくため息をついた。
「俺はヤク抜きの使用人やけどAちゃんのこと見てれば分かることだってある。牢の中で小さく縮み込むAちゃんが子供のように見えてしゃあない」
「怒られて外に出されて縮み込む子供。悪いことやって分かっとるのに止められない。反省は死ぬほどしとんのに繰り返す。そんな自分を殺したくてしゃあない」
「いつまで知らん振りしとん。たまにはお前のことならなんでも知っとるみたいな態度とってもAは怒らんと思うで」
「なんやねん、使用人のくせして」
口先ではそう言ったけれど俺の中では使用人の言葉は驚くくらい説得力があった。
使用人はそんな俺までわかってるかのように少し困ったように笑うと病室を出ていった。
__−_
やかましいモブ。
作者
170人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えすめ(プロフ) - 桔梗さん» コメントありがとうございます♡♡♡♡いやいや、神作者だなんて、ほんとに恐れ多いです(>_<)💦コメントほんとに励みになります!!どうかこれからもこの作品をよろしくお願いします! (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
えすめ(プロフ) - 姫華さん» 返信遅れてしまい申し訳ございません(>_<)コメントありがとうございます!ノロマでゆっくりゆっくりの更新ですがどうかよろしくお願いします! (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
えすめ(プロフ) - みさん» 返信遅れてしまい申し訳ございません(>_<)コメントありがとうございます。本当に励みになっております。これからもゆっくりではありますが更新しますのでよろしくお願いします (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 稀に見る神作者様だ、、、 (1月16日 12時) (レス) @page42 id: 941a02d5aa (このIDを非表示/違反報告)
姫華(プロフ) - 面白すぎます😭🩷更新頑張ってください! (12月6日 20時) (レス) id: d9923ab57a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:えすめ | 作成日時:2022年1月16日 23時