風呂場とライト【鳥葦翔真】

最高の返し方 ページ22

『布袋さんん、』




「やからそんなん一々気にするような男ちゃうやろアイツ…」




『ちゃうねん私が気にするような女やねん』




あの後放心しながら午後2時まで爆睡してから起きて絶望して今布袋さんに泣きついている。



布袋さんは私がここに来た時から親みたいに接してくれていつだって相談に乗ってくれる。



毎回呆れられるが。




『やって毎日毎日同じ家住んでて翔馬に会う確率が1パーセントでもある時は化粧して可愛くおったのに…！バイト終わり1時玄関から部屋まで約1m、会うなんて思わへん…！』




「いやそれはお前が玄関で約4時間爆睡してたからやろ」




玄関なんて誰でも使うわ。と布袋さんがタバコの煙を履いた。




『くそ…！！あのクソ客のせいや…！あいつのせいで疲れて玄関で寝落ちしてもうやんけ許さんちん子もぐ…！！』




「とんでもないな」




「てか言う程でもないやろ、お前のバイト終わりの顔なんて腐るほど見たけど誰も引いとらんぞ」



『私が引いとる言うてるやろ…！？』




血眼になって言えばポロリと布袋さんがタバコを落とした。ゴリゴリと朝食(午後2時)のオートミールをスプーンで潰す。




『ダメやぁ、もう私可愛い女の子じゃおられへぇん、』



あんな変な夢見たから天罰下ったんや…



「なんで？」



『やってブサイクだって幻滅されて軽蔑されてもうたら可愛いには戻れへんやん…』



「なんや彼氏おったん？」



『はぁ？おらんて布袋さん知っとるやろ』




オートミールから視線を外して目の前でタバコをふかしていた布袋さんの口は一切動いていない。




？




横を見ればいつ帰ってきたのか気だるそうにみかんを剥く翔真がいる。





『し、翔真、おかえり』




「おん」




『彼氏おらん』




「じゃあ、誰に幻滅されるん」






お前だよっっっ




と言いたくなる口をつむぐ。




『いや、その、いや』




「昨日こいつが玄関で爆睡しとったやろ。それ気にしてんねん年頃の女の子やからな」









あかん！！！！！！！！このおっさん全部いいよった！！人が躊躇ってたこと言いよった！！！本人に！！！




『ぁ、や、』




「なんやあんなこと気にしとるん」








「別にいつもと変わってへんかったしお前ブサイクちゃうやろ」




そう言うと食べ終わったみかんの皮を捨てといてと私に押付けて出ていった。





「ほらな」

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