誤魔化 ページ17
「翔真!A!」
急いで来たのだろう。息切れしながら吉乃さんがホームに上がってきた。
「アカンめっちゃしんどい…間に合ったけど…」
「来んでもいいって言うたのにめっちゃ息きれてますよ」
「いや…それは…大丈夫なんやけどアンタら朝早すぎへん?もしかしてA今日もバイト入れたんか」
『あー12時から』
「あんた前からバイト入れすぎやって!!店長訴えたろか!!!」
『最近入れてない方やって〜』
暇な日にバイトを入れていればいつの間にか吉乃さんにはバイト依存者だと思われていた。間違ってはないけれども。
「どうしたん?」
すると妙に周りを気にかけている翔馬に吉乃さんが声をかけた。
「あの男は?」
やっぱりがん飛ばしたんか。
なんなら不仲になっているらしい。相手の深山霧島もいい感じに言い返したのだろう。めんどくさいことになった。
吉乃さんの取り合いがもう既に開催されていた。
「え?ああ霧島?家におるんちゃう?」
「アンタ露骨やなあ霧島のことあんまり気に入らんのやろ。ああいうベラベラ喋る優男嫌いやもんな」
違うんやで吉乃さん。翔馬が深山霧島を気に入らんのはあなたの御相手だからやで。
「あの男の子どう思う?」
「頭おかしい」
「まあそうやでな」
腰掛けた吉乃さんの隣に私と翔馬が挟んで座った。
シンプルな悪口大会を横目に荷物を置いて足を組んだ。
「アンタが不愉快に思うのも尤もやけどこのままやとアイツに負けっぱなしな感じするし帰られへんねん。どうにかして勝ち逃げしたるからな」
「…」
「…俺にはそれがようわからん」
「え?」
「吉乃さん自分のルールとかプライドとか捨てなアカンくらいやったら命捨てても構わんと思ってるでしょ」
「実際そうするやろし」
「…」
【新幹線をご利用頂きましてありがとうございます。間もなく16番ホームに_____】
「…そろそろくるんで行きますわ」
もう話さなくてええんかと思いながら荷物を掴んだ。
「翔真」
【この電車は途中品川 新横浜___】
「…プライドも体面も捨てたら残るもんなんて何にもない」
「それ捨てたら死んだも当然やろ」
翔馬が目を見開いた。
「吉乃さんらしいですね。でも俺はそんなもんのために命張られへん」
「じゃあアンタはなんのために命張るねん」
翔馬がすっと吉乃さんを指さした。
今度は私が目を見開いた。
170人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えすめ(プロフ) - 桔梗さん» コメントありがとうございます♡♡♡♡いやいや、神作者だなんて、ほんとに恐れ多いです(>_<)💦コメントほんとに励みになります!!どうかこれからもこの作品をよろしくお願いします! (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
えすめ(プロフ) - 姫華さん» 返信遅れてしまい申し訳ございません(>_<)コメントありがとうございます!ノロマでゆっくりゆっくりの更新ですがどうかよろしくお願いします! (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
えすめ(プロフ) - みさん» 返信遅れてしまい申し訳ございません(>_<)コメントありがとうございます。本当に励みになっております。これからもゆっくりではありますが更新しますのでよろしくお願いします (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 稀に見る神作者様だ、、、 (1月16日 12時) (レス) @page42 id: 941a02d5aa (このIDを非表示/違反報告)
姫華(プロフ) - 面白すぎます😭🩷更新頑張ってください! (12月6日 20時) (レス) id: d9923ab57a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:えすめ | 作成日時:2022年1月16日 23時