計画的犯行 ページ15
ピ
音がしてホテルのドアが自動で空いた。
隣の翔真の部屋から吉乃さんの喘ぎ声がしたらどうしようとか思ったけどそんなことはもちろん無かった。
あんしんした。
スマホを見れば画面が光る。
置いてきたと思ったが前回トランクケースに入れたままだったらしいスマホ。何日ぶりかも分からない。
今よりも悪い意味で表情豊かだった翔真の少年時代、カメラを向ければとんでもなく嫌そうな顔に湿布を貼った翔真がこっちに手を伸ばしている写真がロック画面に移った
きていた服を脱いで下着のまま買ってきたコーラを開ける。
プシュッと音がして炭酸が泡をたてる。
ガチャと隣の部屋から音がした。翔真か吉乃さん。
下着だなんて気にせずになんて言うと嘘になるがとりあえずドアを開ける。
すると翔真がタバコの箱をもちながら出てきたところだった。私を見ると驚いた顔をして私の方へズカズカと歩いてくる。
私の肩を押して部屋のドアを閉めた。
正直言うとこんな展開を期待していたし、これに関しては計算高い性悪女と言われてもしょうがない。
私が見上げなければ見えない翔真の顔。意地を張って何も言わずに翔真の目の前に立つ。
「お前ここが家やと思っとんのか」
『思ってへんよ』
「じゃあなんでこんな格好で出てきたん？アホなんか」
『アホかもな』
話が通じないと思ったのか翔真は息をついた。
『女の次にまた違う女んとこ来るんか。モテる男はちゃうな』
「お前がそうなり得ない理由を作ったからやろ。呆れるわ」
とりあえず服きて出てくんなやと言い残し翔真がドアに手をかけた。
手を掴む。
そのまま翔真に口元に顔を近づけて
「なんや」
すればええのに。
前までどんな汚いおっさんにもしてきとったのに
『なんでもない』
翔真にはどうもできない。
バタンと出ていってしまった翔真に残された私。
この姿を見ても目をそらすことさえせず、焦る様子もなかった翔真にショックを受ける。
胸を押し付けることも出来ずキスもできなかった自分にショックを受ける。
ショックにショックが重なり、タバコにしがみつくように両手で握って椅子に体操座りをして吸った。
恋とは上手くいかないものだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 170人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えすめ(プロフ) - 桔梗さん» コメントありがとうございます♡♡♡♡いやいや、神作者だなんて、ほんとに恐れ多いです(>_<)💦コメントほんとに励みになります!!どうかこれからもこの作品をよろしくお願いします！ (1月18日 23時) (
レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
えすめ(プロフ) - 姫華さん» 返信遅れてしまい申し訳ございません(>_<)コメントありがとうございます！ノロマでゆっくりゆっくりの更新ですがどうかよろしくお願いします！ (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
えすめ(プロフ) - みさん» 返信遅れてしまい申し訳ございません(>_<)コメントありがとうございます。本当に励みになっております。これからもゆっくりではありますが更新しますのでよろしくお願いします (1月18日 23時) (レス) id: b5181500a7 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 稀に見る神作者様だ、、、 (1月16日 12時) (レス) @page42 id: 941a02d5aa (このIDを非表示/違反報告)
姫華(プロフ) - 面白すぎます😭🩷更新頑張ってください！ (12月6日 20時) (レス) id: d9923ab57a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えすめ | 作成日時：2022年1月16日 23時
