風呂場とライト【鳥葦翔真】

眼光は研かれない ページ12

「とりあえずあの男の興味引けるだけ引いて1年経ったら捨てて大阪帰ったるからな」


「吉乃さんなんで自分が東京来ることになったか知ってるんですか」


「なんでってお祖父ちゃんの無茶ぶりやろ」


「まぁそうですけど」


「菅蘭蔵ってしってますか。姫虎尾会の」


「あぁ菅さん？知ってるよ。ていうか菅さんの家族と旅行行ったことあるし」


「なんスかそれ」


「いやあんたがうち来る前の話やから」


私は翔真より早く生まれたため20歳な訳で、翔真と同じ歳だ。吉乃さんは私たちより2歳年下だ。


私が染井組に来た時私は中一、吉乃さんはまだ小学生で小さかった。


腕が傷だらけで目を大きく開くことも諦めた私のことを大きな目をさらに開いて見ていたのを覚えている。



じろりと見れば驚く素振りをしたものの逃げることは無かった。



「じゃあ親父が菅さんと仲いい理由も知ってますか」


「知らんけど友達やろ」


「それもありますけど姫虎尾は昔から桐ヶ谷組が東京進出するための足がかりやったんすよ」


「何それ？」


「ちょうど親父が俺らくらいの歳の時桐ヶ谷組の4代目と姫虎尾会の会長が盃交わしたんです」



・


「それまた抗争起きるってこと？」


「さぁ可能性はあるってだけです」

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