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「A!」
お昼休み、教室内に響くその叫び声に耳を疑った。
「ゾ、ゾム……」
名前をつぶやくと、彼は嬉しそうに腕を振った。
案の定周囲はざわめきで満ちた。それはそうだ。突然現れた生徒会の人間が私を名指ししたのだ、しかも呼び捨てで。
意を決して近づく。視線が痛い。
「どうしたの……?」
「昼飯誘いに来たんやで〜」
ゾムの爆弾発言に再び周囲がざわついた。私は驚きすぎて心臓が口から出そうだ。当の本人はキョトンとしているけれど……。
「フェリシアーノ様と生徒会の方が共にご昼食を?!」
「あの態度、いくら生徒会だからって……」
「分かりましたから、早く行きましょう」
様々な声に耐えられなくて、思わずゾムの手を取って中庭へ歩き出した。
私とゾムは個々でもかなり目立つというのに。基本誰とも話さない私が、生徒会のゾムと話すなんて異例の事態……。
きっと教室に戻ったらお嬢様方からの質問攻めに会うことだろう。先程も好奇の目で私を見ていたし。
「〜!!A!!」
「あ、え、何?」
「着いたで」
全く気が付かなかった。考えすぎていたみたいだ。掴んでいた手を離すと、ゾムはその手を握ったり開いたりしていた。強く掴んでしまったのだろうか。
「って、俺購買行くんやけど」
その一言でハッとする。お昼を食べるというのに、肝心の料理を忘れていた。普段は食堂で食べているのだけれど。
「ビマル」
「はい、お嬢様」
「食堂から昼食を二人分、頼めるかしら?」
「かしこまりました」
どこからともなく現れたビマルは早足で食堂へと向かっていった。我儘を言ってしまって申し訳ない。
「二人分って……」
「私とあなたの分。私たちは友人でしょう?」
私の言葉を聞いて、ゾムは少し目を見開いてから「んふふ」と嬉しそうに笑った。
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「んー、やっぱ足りへんわ」
「……もう三十食目よ」
ゾムの胃袋がブラックホール級なのがよくわかった昼休みだった。
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駐車場 - いや、好き。。。もう好みとしか言いようがありません更新頑張ってください…！ (10月19日 19時) (
レス) @page23 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
月光ノワール - とっても面白くて夢中になって読めました!!更新楽しみにしてます！ (9月16日 7時) (レス) @page23 id: c0f063982b (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 面白すぎるぅ！更新待ってますね！ (2021年12月25日 20時) (レス) @page22 id: ea57108b5f (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ - 更新待っています、、、めっちゃ面白かったです、、、 (2021年10月21日 15時) (レス) @page22 id: a34e3c6136 (このIDを非表示/違反報告)
時雨坂 - 更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！ (2021年2月3日 21時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カイロ | 作成日時：2020年4月23日 17時
