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「俺のこと知ってるんや」
もちろん、知らないわけが無い。
ゾムはアイテムを手に入れないと解放されない、いわゆる周回キャラクター。それに、クリア難易度が高く、前世では大変苦労させられた。
「ええ、生徒会の方でしょう?」
「それより、質問に答えてくれへん?」
そう言いながらスっと距離を縮めてくる。フードの奥の瞳が怪しげに光った。
「放課後はよくここで過ごしているのです。ゾムさんは?」
「んー、誰か歌ってるのが聞こえてきたからな」
……聞かれてたのか。まさか誰かがいるなんて思ってもいなかったから、気持ちよく歌ってしまった。少し恥ずかしい。
それにしても、まずい。安らぎの場がなくなったら、私はいずれストレスで亡くなってもおかしくない。何としてでも、この場所を隠さなければ。
「あの、ゾムさん。この場所は、秘密にしていただけませんか?」
私の要求に首を傾げる。しばらく考えるような素振りをした後に、意味ありげに口角を上げた。
「俺と友達になってくれたら、内緒にしたってもええで」
「友達、ですか……?」
どういうこと?
ゲームではこんな設定はなかったはず……。一体何を企んでいると言うのだろう。
それに、ヒロインのルートがまだわからない状況だし。もしゾムルートだったら、絶対に面倒なことになる。
かと言って、この場所を失ったら自分の命が……。
「……分かりました」
「んふふ、交渉成立やな」
満足気に笑う彼が一体何を考えているのか、私には皆目検討もつかない。普通なら、相手の様子を見て察することができるが、顔も見えない相手には通用しない。聞きたいことは、直接聞かなくては。
「ゾムさんは、何故私と友人になろうと思ったのですか?」
「ゾムでええよ」
「ゾムさん」
「ゾム」
「……ゾム」
自分が折れなくてはならないことに、ため息をついた。ゾムはニヤニヤと笑っていたが、急に苦笑いをして訳を話した。
「俺、こんなんやからよく怖がられんねん。でかいし、生徒会やし。
でも、あんたは＿＿＿Aは、逃げずに会話してくれた」
いい終わった後に、恥ずかしくなったのか、フードをギュッと掴みより深くかぶった。
「……私も、そういうことばかりだったわ。私と下手に関わりでもしたら、いい意味でも悪い意味でも目立つもの。ゾムこそ、よく私に声をかけたわね」
砕けた口調になったのに驚いたのか、ゾムはフードを握っていた手を離した。
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駐車場 - いや、好き。。。もう好みとしか言いようがありません更新頑張ってください…！ (10月19日 19時) (
レス) @page23 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
月光ノワール - とっても面白くて夢中になって読めました!!更新楽しみにしてます！ (9月16日 7時) (レス) @page23 id: c0f063982b (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 面白すぎるぅ！更新待ってますね！ (2021年12月25日 20時) (レス) @page22 id: ea57108b5f (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ - 更新待っています、、、めっちゃ面白かったです、、、 (2021年10月21日 15時) (レス) @page22 id: a34e3c6136 (このIDを非表示/違反報告)
時雨坂 - 更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！ (2021年2月3日 21時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カイロ | 作成日時：2020年4月23日 17時
