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「ご存知?先日、庶民の女生徒が生徒会に入ったらしいの」
「あら、それはそれは……。危険知らずですのね」
始業式から数日、早速ヒロインの話題が登るようになっていた。しっかりとシナリオ通り進んでいるようだ。
本来だったら、今日は放課後に私がヒロインに声をかける日。まあ、そんなことするつもりもないけれど。
ゲームの中の私だったら、「庶民のくせに。身の程を知りなさい!」と忠告をする。しかし、よく考えてみると、生徒会は実力主義。彼女に力があるかどうかはさておき、何も問題は無いので放置する。
それに、今日行かなかったところで何も変わらないだろう。私は大人しく、学園の秘密スポットで本を読むつもりだ。
それまでは辛抱。もう知っていることを自慢げに話し出す教師たちを横目に、私は窓の外を眺めた。
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「ふう……やっと終わったわ」
「お疲れ様です、お嬢様」
放課後、私だけが知っているであろう学園内の小さな庭園で、私は大きく伸びをした。
本とティーセットを持ってきてくれたメイドのビマルは、私を見て小さくため息をついた。
私がリラックスできるのは、ここしかない。家に帰れば、余計に疲れるだけ。ここなら、誰の目も気にせず、自由にできる。
優しいビマルはそれを分かっている。紅茶を入れると、その場を後にした。
小鳥たちの歌声、優しい花の香りに包まれる。
なんだか今日は歌いたい気分。
私は立ち上がり、奥の方へと歩きながら歌を口ずさんだ。
「来てよ、今……」
どこからかやってきた子猫の頭を撫でる。人間にはあまり好かれないことが多いけれど、私は動物に好かれやすいようで。それだけで、心が温まる。
「ここで、何しとんの?」
突然声をかけられ、驚いて後ろを見る。
パーカーを深くかぶり、顔の見えない生徒が立っていた。
私だけの秘密の場所が知られてしまったことのショックで話せないでいると、相手が思い出したように話し出す。
「あんた、フェリシアーノ家のお嬢様か。なんか見た事あるなと思ったわ」
ハッと正気に戻る。目の前の相手をよくよく見ると、乙女ゲームの攻略対象であることに気がついた。でも、何故……?
「あなたは、ゾムさんですわね。何か御用?」
用がないなら二度と来ないで、と心の中で呟く。バレないように笑みを作った。
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駐車場 - いや、好き。。。もう好みとしか言いようがありません更新頑張ってください…！ (10月19日 19時) (
レス) @page23 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
月光ノワール - とっても面白くて夢中になって読めました!!更新楽しみにしてます！ (9月16日 7時) (レス) @page23 id: c0f063982b (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 面白すぎるぅ！更新待ってますね！ (2021年12月25日 20時) (レス) @page22 id: ea57108b5f (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ - 更新待っています、、、めっちゃ面白かったです、、、 (2021年10月21日 15時) (レス) @page22 id: a34e3c6136 (このIDを非表示/違反報告)
時雨坂 - 更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！ (2021年2月3日 21時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カイロ | 作成日時：2020年4月23日 17時
