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中庭での始業式。つまらない先生方の話は全く聞いていなかった。ぼうっとしていたときに、とんでもない歓声が私の耳を突く。
「生徒会の皆様だわ!!」
「素敵……」
生徒会。言わずもがな、この乙女ゲームの攻略対象。遠目でもイケメンオーラが溢れていることが分かる。女だったら誰もが叫んでしまうだろう。
「Aさんは流石ですわ……微動だにもなさらないなんて」
「ふふ、堂々としていないと。お二人共、まだまだですわね」
生徒会。身分制度を無視する実力集団。絶対に関与したくない。この学園が国自体を象徴していると仮定すると、彼らは革命軍だ。身分の差があることを前提とする私からしたら、脅威でしかない。
「(生徒会長は本当にやりかねないけど……)」
そう思うと背筋が凍る。そんなことあってはならない。
壇上で何やら語りかけている生徒会長を見やると、目が合ったような気がした。……気のせいと思うことにする。
そういえば、ヒロインは一体誰ルートを選ぶのだろうか。
このゲームは周回性がある。遊ぶことで手に入れられるポイントを使い、アイテムを買うことでルートが開放されるキャラもいる。
もし周回者なら、逆ハーレムルートもある……。
関わりたくはないが、動向は探らないと。下手したら死にかねない。
というか……
「(プレイヤーがリセットしたらどうなるんだろう)」
人々のざわめきが、より一層騒がしく感じられた。
「Aさん……?」
フィリエルさんが私の顔を覗き込む。その様子を見ていたチャーリさんが突然慌てだした。
「顔が真っ青ですわよ……!保健室へ参りましょう!」
「いいえ、大丈夫。なんでもないわ」
「でも」と諦めない二人を何とかなだめているうちに、始業式は終わってしまった。
「離れ離れになってしまうのですね」
私の教室は三年B組。クラスに順位などはなく、『公平』なクラス分けがなされている。私たちはそれぞれ違うクラスになってしまった。
「お二人共、私のことは構わず、最後の学園生活を楽しんでください」
二人は私が友人を作れないのを知っている。
「本当に、無理をなさらないでくださいね」
「何かあったら私が駆けつけますわ」
優しく微笑むチャーリさんと、何故か胸を張っているフィリエルさんに、思わず笑みが零れた。
二人がいないのは寂しいけれど、クラスにはヒロインも攻略対象もいないのでなんてことない。平穏に暮らすことが出来れば、それでいいのだ。
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駐車場 - いや、好き。。。もう好みとしか言いようがありません更新頑張ってください…！ (10月19日 19時) (
レス) @page23 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
月光ノワール - とっても面白くて夢中になって読めました!!更新楽しみにしてます！ (9月16日 7時) (レス) @page23 id: c0f063982b (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 面白すぎるぅ！更新待ってますね！ (2021年12月25日 20時) (レス) @page22 id: ea57108b5f (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ - 更新待っています、、、めっちゃ面白かったです、、、 (2021年10月21日 15時) (レス) @page22 id: a34e3c6136 (このIDを非表示/違反報告)
時雨坂 - 更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！ (2021年2月3日 21時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カイロ | 作成日時：2020年4月23日 17時
