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「はあ……」
今日はとことんついてなかった。
あの後教室に戻ると、お嬢様たちが何やらぞろぞろとやってきては私を褒めたたえ始めた。
「あの小娘の嘘にも冷静に対処なさるなんてさすがですわ!」
「ギャフンと言わせてやりましたわね!私も以前から気に入らないと思っていたのです」
その一方で、私から離れた席にいる私をよく思っていない人々はというと、
「めっちゃ性格悪くね」
「あの子が可哀想」
と私を非難していた。
私が転ばせていないことは証明できたものの、私はヒロインが気に入らないなどという最悪な誤解を受けてしまった。
これでは何かある度に私が疑われないわけがない。面倒なことになってしまった……。
「あー」と小さな叫びを上げながら、軽く地団駄を踏む。ビマルが「みっともない」と私を止めた。
「なんや、えらい機嫌悪そうやな」
楽しそうに笑いながらゾムがやってきた。
彼を見るとなんだか安心するし、心が和らぐ感じがする。
初めは、もう来ないで欲しいなんて思っていたが、今となっては来てくれた方がいいなんて思っているのだから、不思議である。
ゾムは色々なことを話してくれる。仲のいい友人の話、私の知らない庶民の生活の話。私からすると、まるでおとぎ話を聞いているようで、とても楽しい。私はそれを、寄ってきた動物を撫でながら聞くのだった。
今日もいつもと同じ時を過ごす。先程までの不運な出来事がどうでも良くなった。
「___で、って……A……?」
愉快に話していたゾムが、私を見て目を見開いた。突然のことに私も驚く。一体どうしたのだろう。
「ゾム……?どうしたの?」
分からないので首を傾げていると、彼の手が私に伸びる。彼の右手が、私の左頬に触れる。そのまま、彼は親指で目元を優しく撫でた。
「なんで、泣いとるん……?」
「あ……」
そう言われて、初めて自分が泣いていることに気がついた。そう知ると、何故かより涙が流れた。
その様子を見て、彼は慌てだした。それがなんだか面白くて笑うと、訳が分からないとでも言いたげな顔をされた。
私の左頬から、彼の体温が離れる。少し、名残惜しい。
「何を溜め込んのかは知らんけど、我慢すんなよ」
「ふふ、ありがとう」
言い慣れていなくて恥ずかしいのか、頬がほんのり赤く染まった彼が少し可愛らしい。
我慢しなくていい。そうなる日が、いつか来るのだろうか。
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駐車場 - いや、好き。。。もう好みとしか言いようがありません更新頑張ってください…！ (10月19日 19時) (
レス) @page23 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
月光ノワール - とっても面白くて夢中になって読めました!!更新楽しみにしてます！ (9月16日 7時) (レス) @page23 id: c0f063982b (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 面白すぎるぅ！更新待ってますね！ (2021年12月25日 20時) (レス) @page22 id: ea57108b5f (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ - 更新待っています、、、めっちゃ面白かったです、、、 (2021年10月21日 15時) (レス) @page22 id: a34e3c6136 (このIDを非表示/違反報告)
時雨坂 - 更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！ (2021年2月3日 21時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カイロ | 作成日時：2020年4月23日 17時
