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「ちょっといいかしら」
未だに焦っている素振りを見せていたヒロインに向けて言い放つ。彼女は大袈裟に肩を震わして驚いてみせた。
「どなたですか、あなた。色々言う前に名乗ってはいかがですか?」
「あ、えと、アスカって言います!今年転校してきました。よろしくお願いします、Aさん!」
アスカ……。公式の名前じゃない、ということはプレイヤーがいる?まさか、私と同じように転生してきたのか?
ありえない話ではない。この展開も、かなりベタであるし。何しろ、ヒロインの態度が明らかにゲームと違う。
私が悪役令嬢自身になっているからか分からないが、アスカの話し方から動きまで、何もかもがうざったい。
ゲームをしていた時は、こんなこと思わなかった。普通に可愛くて、好感の持てるヒロインで会ったはずだ。ちゃんと常識もあったし……。
「アスカさん、何を言いたいのかはっきりと仰ってください。時間が勿体ない」
「す、すいません……。私、Aさんに憧れてて、生徒会の女子は私一人で寂しいので、一緒に出来たらなって!」
心底呆れた。寂しいから、私と一緒に?笑わせるんじゃない。私を誰だと思っているの?何故あなたのために私が動かなければならない?
私の心境を察したのか、アスカを囲んでいた生徒会員が焦り出す。今更気づいても遅いのに。
「私に憧れていると言うなら、尚更私を生徒会に誘い入れるのは過ちであると気づくのでは無いですか?」
しかし、アスカは首を傾げて「え〜、と?」と苦笑いした。
「全く、世間知らずもいいところですわ」
「え……?」
私がため息をつくと、彼女は目を潤ませた。嘘泣きがお上手なこと。
「ご無礼をお許しください、フェリシアーノ様。彼女は庶民の出でして、貴族社会について至らないところがあるのです」
彼女を庇い、そう発言したのはトントン。瞳には、ほんの少し敵意の色が見える。
「彼女は私に憧れていると言ったのですよ。そんな人間が私について知らないことがあり得ると言うのですか?」
「それは……」
「それも、彼女は私が我々国二大貴族のフェリシアーノ家の人間であることさえ知らないと見える。そんなこと、庶民でも知っていると思うのですけれど」
私の発言に、トントンは黙った。流石に反論できないようだ。俯く彼の前に、アスカが両手を広げて立ちはだかった。
……まだやるつもりなのか、この小娘は。
再度生徒会長を見ると、心底楽しそうに笑っていた。
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駐車場 - いや、好き。。。もう好みとしか言いようがありません更新頑張ってください…！ (10月19日 19時) (
レス) @page23 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
月光ノワール - とっても面白くて夢中になって読めました!!更新楽しみにしてます！ (9月16日 7時) (レス) @page23 id: c0f063982b (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 面白すぎるぅ！更新待ってますね！ (2021年12月25日 20時) (レス) @page22 id: ea57108b5f (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ - 更新待っています、、、めっちゃ面白かったです、、、 (2021年10月21日 15時) (レス) @page22 id: a34e3c6136 (このIDを非表示/違反報告)
時雨坂 - 更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！ (2021年2月3日 21時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カイロ | 作成日時：2020年4月23日 17時
