完璧主義者【d!】 (ページ9)

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久しぶりの朝日で目が覚める。太陽の光は、こんなに眩しいものだったか。この間とは違う、ふかふかのベットから身を起こした。

幹部への自己紹介をしたあと、赤いマフラー、トントンが部屋へ案内してくれた。本物の部屋をみて感動し、はしゃいでいると、白い目で見てきた。

部屋はとにかく広い。ベットにソファー、テーブルなど。窓もあるし、個室のトイレや風呂まである。金持ちになった気分だ。

今までは収入が安定しないし、少ないしで部屋を借りるなどということは出来なかった。そう言えば今回の依頼の報酬について聞いていなかった。まあ良いか。

顔を洗い、髪を整える。私の髪はこんなに綺麗だったかな、と自惚れてみる。泡で丁寧に洗ったのは久しぶりだった。水色の髪の毛、あまり褒められる色じゃないな。

時計を見て朝食の時間を確認する。まだ余裕がある、今から出れば間に合うだろう。ここでは朝食を集まって食べる習慣があるらしい。誰かとご飯と食べる、これも久しい。

ドアを開け廊下に出る。誰もいなかった。足を踏み出した瞬間に、大事なことを思い出す。

グルさんを起こしに行かなければ。

「Aは俺の補佐だからな。起こしに来るんだゾ」と言っていた。補佐はモーニングコールもどきもしなければならないのだろうか。少し疑問だったがとりあえず従っておく。

ボケっとしながら歩いていくうちにグルさんの部屋の前に着いた。ドアは全て同じだが、その横に『グルッペン･フューラー』とプレートが取り付けられている。

ドアをノックし名前を呼ぶ。返事はない。ドアを開け、部屋の中に入った。

部屋の作りも同じらしい。自分の部屋を思い出し、ベッドのある小部屋へと向かった。

案の定、そこには寝ているグルさんの姿があった。気持ち良さそうに寝ているので、起こすのを少しためらってしまう。

「グルさん、朝だよ」

耳元でそう言うと、うーんと言いながら起き上がった。そして数秒固まった後にこちらを見て驚いた顔をする。

「ああそっか。トン氏じゃなくてAに頼んだんだった」

寝ぼけた顔でそう呟いてから微笑み、私の頭を撫でる。この人は朝に弱いんだな、というのがよくわかった。準備を邪魔しないように廊下に出て待つことにした。

あーあ、せっかく整えたのに。と思いながら撫でられてぐしゃぐしゃになった髪を整え直す。

手、大きかったな。壁に背を預け、彼が来るのを待った。