完璧主義者【d!】 (ページ46)

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戦場は悲惨だった。鳴り響く銃声、次々と倒れていく仲間。戦争が始まってからもうどれくらいの月日が流れたか、今は何年の何月何日なのか、それすらも分からない。分かりたくもない。今は生きることに必死だ。

塹壕戦により膠着状態に陥っている。何か、変化を起こしたい。これ以上仲間が死んでいくのを見ていられない。でも迂闊に動けない。自分の無力さを恨みたくなる。

コネシマやゾムたちと違う部隊に配属された私は、隊長の指示を待つことしか出来ない。彼らは無事だろうか。

隊長と副隊長は難しい顔をして、あれやこれやと考え事をしているようだ。私たちは前線の部隊であるから、一つ一つの判断が国の運命を背負っていると言っても過言ではない。

しばらくして彼らは決意を固めたようで、隊長がバッと腕を天高く伸ばす。

「突撃だ!!」

その命令を聞いた兵士たちは雄叫びを上げ、前進を始めた。

私も銃を握る力を強め、前へ前へと駆けてゆく。仲間が倒れても、ただひたすらに前へ。

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……意識が、朦朧とする。手に力が入らない。

重たくなった自分の体を無理やりを動かし、仰向けになる。空は酷く晴れ渡っていて、雲が流れていくのが見える。

腹部からは、見慣れたはずの赤い液体が流れ出ていた。できるだけの力を使い、手でその部分を圧迫する。

まだ、あの銃声が私の耳にこびりついている。あの時私は、撃たれてしまった。

疲れてきて、目を閉じかけたところに、誰かが寄ってくる。衛生兵だろうか。雑ではあるが、しっかりと腹の部分に包帯を巻き、私を背負った。

私のようになった兵士が、そこら中に倒れているのが見えた。

「勝った、のか」

「このままいけば、勝てるだろう」

「それまでしっかりするんだ」と彼は答えた。

その言葉を胸に刻み、今はただ耐えることに集中した。