完璧主義者【d!】 (ページ28)

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殺気と気配を無くし、シャオロンの首を狙う。体力には自信が無いので、持久戦になるのは避けたい。スピードを上げ、一度攻撃を防いだら次の攻撃を防げないようにする。

だんだんとシャオロンに焦りが見え始める。このまま行けば勝てそうだ。油断はしないように、攻撃を続ける。

私の攻撃を防いだシャオロンが少しよろけるのが見えた。無防備になったその瞬間に、私のナイフが彼の首に当たった。

ふぅ、と息を吐き出す。シャオロンはなかなか強かった。流石幹部である。遠くでコネシマが拍手をするのが聞こえた。

倒れていたシャオロンに手を差し出すと、彼は私の手を掴み立ち上がった。

「強くないかぁA…」

そう言って悔しそうに、眉を下げて笑った。

「じゃあ次は俺や」

準備運動をしながら近寄ってくるコネシマ。肩で息をしているのに、もう次とは…。ため息をついて、体制を整える。

「じゃ、いくで」

「ちょっ、ま」

私の悲痛な叫びを無視して殴りにくる。避けられないことを悟り、腕で受け止めた。腕から嫌な音がし、ビリリと電気が走る。

距離をとり、体制を立て直す。痛みを緩和させるように腕を振る。ジーンとした痛みが、全体に伝わってきて、冷や汗が垂れる。

コネシマは「おー、立ってられんのかー」なんて言っている。立っていられなくなるパンチってなんだよ。悪態をつきつつ、様子を観察する。

足に力を入れ、彼の元へ駆ける。右手にナイフを構え、首元を狙う。ナイフを持った腕を掴まれ、左足で蹴りを入れようとする。その足も掴まれるが、コネシマの方へ倒れ込む勢いで、左手で顔を殴る。両手は塞がっていたし、予測していなかったようで、素直に入った。

両手が開放されたのを確認して、コネシマに覆いかぶさりながらナイフを当てた。

地面に倒れ込んだコネシマは呆然としている。そのままの体制で彼はナイフを持ち、私の首に当てた。

「あー、Aさん？ナイフは首か胸に当てなきゃダメやで？」

「あ、」

そんなルールだったな、と思い出す。私はついいつもの癖で、頭にナイフを当ててしまっていたのだ。

「間違えちゃった」

「アホやん」

「惜しかったなぁ」

その後は三人で大笑いした。気がついたら夕方になり、私は腕が痛かったので医務室へ向かった。

チーノに治療をしてもらっていると、突然医務室の扉が開き、土下座したコネシマと、たんこぶを作ったシャオロンと、怒ったトントンが立っていた。

「怪我させてすんませんしたァ!!」