完璧主義者【d!】 (ページ15)

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恐る恐るシャオロンが手を挙げた。しおらしいシャオロンに全員が違和感を覚えた。

「今日、グルッペンにたのまれて、街に行ったんやけど」

俯きながらポツポツと喋り出した。急かさず、頷きながら聞いていく。シャオロンがAの腕を試すためにライフルで暗殺を試みた。そこまでは話してくれたのだが、その後がなかなか言葉にならないようだ。

シャオロンは何かを恐れているような、それでいて悔しそうな顔をしていた。

「殺気がバレたみたいで、俺、暗殺失敗したんや。Aに負けたんや」

『負けた』その言葉に全員が目を見開いた。

確かに彼女は暗殺者だ。しかし我々も相当な訓練をしていて、優秀なものだけが集められた幹部なのだ。

正直自分はそうでもなかったが、みんなは屈辱そうだった。

そんな暗い空気を破って、思い切って発言してみる。

「でも、Aちゃん悪い子ではなさそうやね」

あー、と微妙な反応をされる。無理もない。彼女が来てまだ一日目だ。そのうち慣れるだろう。別に自分も完全に信用した訳では無いが。

「他には？おらんの？」

あげようかと思ったが、やめた。

関わった訳では無い、ただ見かけただけだ。中庭での彼女の姿を思い浮かべる。それに、なんだか誰にも教えたくない気持ちになった。

そのまま会議はお開きになった。

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星を見ながらくしゃみをした。少し冷えてしまっただろうか。夏とはいえずっと外にいるのは良くないなと実感した。

部屋に戻ってとりあえず寝よう。そう思い腰を上げた。

廊下が少し騒がしい。会議でもあったのだろうか。なるべく会いたくない、ゆっくり歩くようにした。

時間をずらすために階段を一段一段踏みしめて上がっていく。半分を過ぎたところで大先生とすれ違う。会釈をして通り過ぎようとしたら、声をかけられた。

「Aちゃん、ずっと外にいたん？」

「へ？」

なぜ外にいたのを知っているのだろうか。周りには誰もいなかったが。聞こうとしたら「やっぱなんでもないわ。おやすみ」と言って去っていってしまった。

そのあとは誰にも会うことなく、無事に(？)部屋に戻った。

決して幹部達が嫌いな訳ではない。今はまだ仲良くなれない気がしたからだ。無理をせず、時間をかけて仲間になれれば良いのだ。

仲良くなるために、食器洗いは毎日しよう。大きく伸びをして、眠りについた。