【HQ】プリンは理解に苦しむ

10. なんでそんな反応するの ページ10

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「おう、買い出しお疲れサン」



「ニヤニヤしないで、キモい」




買出しから帰るなりクロがうざい顔で待ち構えていた。余りにもうざかったから、買ってきた荷物を全てクロに押し付けた

クロはずっと口角を上げて俺と藤井を交互に見てる


ねぇ、ほんと、何なの

言いたいことがあるなら言えばいいのに




「どうだった？初デートは」




一生黙っててくれないかな


こういうの、クロは楽しいかもしれないけどさ、藤井からしたら迷惑なんじゃないの。こんな俺と行きたくもない買い出しに行かされてさ。まぁ、藤井のせいなんだけど


でも普通、嫌でしょ

こんな風に茶化されるのは




「無視すんなよ研磨」



「うるさい」



「素っ気ねぇなぁ。藤井チャンは？どうだった？初デー…ト、」




藤井の方を見たクロの言葉が一瞬止まったのが気になって、横目で藤井を見た。見なきゃ良かった、なんて後悔しながら


ねぇ、普通はさ、嫌がるでしょ

こんな俺とデートとか、嘘でもそんなこと言われてさ、


なのに何で




『……っ、た、楽しかった、です』




そんな真っ赤な顔で、そんなこと言うの



思いがけない藤井の反応に、目を見開いて固まってしまった

それがいけなかったのか、藤井は俺とクロを交互に見た後、ドリンクを準備するとか言って、走って行ってしまった


少ししてからクロの方を見ると、クロも固まってた




「あー、びっくりした。なに？買い出し中に何かあったの？」



「別に、普通。ねぇ、なんであんなこと言ったの」



「いや、ちょっとからかうつもりだったんだけど……まさかあんな反応が返ってくるとは思わねーだろ」




クロもクロで、予想外な藤井の反応に驚いてるみたいだった

そんなクロを見て、嫌な想像が頭に浮かんだ




「さっきの藤井チャン、可愛かったな」




そう言ったクロは、見たことのない顔で、


────まるで、藤井に恋でもしているみたいな




「よし、俺らもさっさと準備するかあ」




クロがこの場を離れてからも、俺はしばらく動けなかった

忘れようとしても浮かんでくるさっきの藤井の顔



あんな顔の藤井、見たくなかった


クロに、見せたくなかった



そう思った理由は分からない、けど

思い出すと胸がうるさくなるから、無理矢理忘れることにした





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