【HQ】プリンは理解に苦しむ

1. 転校生 ページ1

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“ 転校生が来る ”



今、俺のクラスはその話題で持ちきりで少し騒がしい


その騒がしさが邪魔でゲームに集中出来なかったから、イヤホンをして音を遮断する



しばらくすると担任が来たみたいでみんな席に座る


俺もイヤホンを外してみんなと同じように前を向く




「よーし、お前ら全員いるなー」



「先生ー、吉田くんがまだ来てませーん」



「どうせ遅刻だろ。それより先生は早く転校生を紹介したいんだ」



「それもそうですね」




不憫な吉田



先生は出席簿にペンを走らせた後、転校生を呼んだ


呼ばれた転校生は静かに教室へと入ってきた




『えっと、大阪から来ました、藤井Aです』




“ よろしくお願いします ”


透き通るような、綺麗な声でそう言った彼女


ざわつく教室内から時折聞こえてくる彼女を褒める言葉に、俺は少しだけ共感した



第一印象は、綺麗な人




「じゃあ…孤爪の後ろに座ってくれるか？ほらあの、プリン頭の」




プリンて


いや確かに孤爪って言われても誰？ってなるけど


プリンて



…えっていうか俺の後ろなの




「わからないことがあったら周りを頼れよ」




先生はキメ顔でそう言って教室から出ていった


誰一人と先生には触れず、転校生をちらちらと見る




「ね、藤井さんって彼氏とかいる？」



『え、いないですよ』



「本当！？あ、俺 内田って言うんだけど…」




内田が喋り出したことによって、質問会が開かれる


数分間の質問攻めに前の席の俺でさえくらくらする



一時限目担当の先生が来て質問会は終わりを告げた


その時聞こえた小さな溜息




転校生は大変だなぁなんて、他人事のように思った

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