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その210by真弥 ページ39

俺は馬鹿なんだろうな。

1人、暗い闇の世界で座っている。

尚「大喧嘩なんて…どっちかが生きて死ぬのは殺し合いだろ…」

あぁ、喧嘩はよくしてたが…あーちゃんが先に謝ってたな…

1回だけ、1ヶ月間も絶交してたな…理由は全て俺が悪かった。

あーちゃんも、謝らなくて…それで、寂しかった…

真桜「『尚はスタンドを使えない。どう足掻いても使えないだろう』」

あーちゃんがそう言うと俺は使えなくなった。だから…『目の能力』を使って、あーちゃんと同じ言霊を得て…

尚「『真桜は炎にまかれる!』」

そう言っても、炎は消えるし、どう言ってもあーちゃんは諦めない。

尚「俺らの答えは同じだろう?俺は、あーちゃんをできるだけ傷付けたくはないんだ。」

そう言っても届きやしないのに。答えなんてもう遠のいてるのに…

分かってるんだよ…

あーちゃんから理想郷(居場所)を奪ったって…

尚「…なぁ、もう、限界なんだ」

俺は乾いたような笑みを浮かべる。

尚「もう、疲れた。いいよな?」

俺は手放し、床に置かれてるナイフを手に持ち、首に当てた…









尚「ごめんな?邪魔な俺は消えるから…あいつら(霞達)と幸せに過ごしてくれ…」

きっと、俺は今…泣いてる…


































































真桜「待って!!!!!」







真っ暗闇だったのが明るくなった。ナイフは遠くへ飛ばされてる。

尚「…ま、真桜…?…俺は…」

真桜が俺に抱きついてる。

真桜「違うだろっ!?馬鹿なのかお前!?

最初から『答え』なんてない!

ずっと好きだって分かってよっ!!!!」

…そうか、どんなに遠い赤く染った夕焼けにいても…あーちゃんは…そばにいてくれたんだな…

なんやかんやとずっと…俺に歌を歌ってくれてたんだな…

『もう、平気だろ?』

俺の中で誰かが言った。いや、分かってる。これが誰か…

真桜「ねぇ、分かってたよ。尚はうちをずっと思ってくれてたんだよね…」

尚「…真桜…ごめんな。」

俺は泣いてる真桜の頭を優しく撫でた。

尚『じゃあな』

俺の中の『俺』が笑顔で手を振って消えた。

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作者名:理想郷project製作委員会 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2019年1月7日 17時

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