星の降る午後 /. (ページ10)

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　欺瞞。見たくなかった。わたしと君を、穿っていく。覆い隠してよ。

｢ねえ、私がいなくなっても、泣かないでほしいの。いつまでも喚いたままで、わたしの絵とか追憶をぼんやり眺めたままで、うつろに突っ伏していてほしい。世界が終わったら火星に逃げればいいし、そうやって汚いままで生きていってほしいの。大好きよ｣

　花火が融け落ちて跳ねた。水たまりに潜れば白銀、北半球だけ回り続ける地球みたいな不安定で綺麗な世界。

　泣きながらきみの戯れ言を綴る。約束が音を立てて崩れていく。花火に重なって脆く柔く。どうか、さようなら、と叫んだ。

/踏切