Yuto.N ページ3
『那須くん』
わたしが声をかけると、
サッとふりかえって彼は「なに？」と微笑んだ。
・
男子4人くらいと女子２,３人の彼がいるグループに、
近づくことは、できるだけしたくない。
・
声をかければ、私が話しやすいように、
教室の端にある私の席まで移動してくれた。
・
「どした？」
『今日一緒に帰りたい』
「おっけ。」
『...だけです』
「みんなと時間ずらして帰ろう」
『うん』
・
人からの興味を向けられたり、
視線を浴びるのが苦手なわたし、
彼は優しい。ここまでは。
・
SHRが終わって、
色んな人が那須くんに話しかけに行く。
一緒に帰ろーとか、
今日勉強教えてーとか、
全部の誘いを断って、
私の元に来た。
・
「Aが呼ぶの珍しいじゃん」
『...話したいなぁって、』
「誰と？」
『...雄登と』
「お！下の名前慣れてきた？笑」
『言わせたのそっちだからね？』
「いいの？そんなおっきい声だして。誰か来たら
那須くんとの時間じゃなくなっちゃうよ？」
『...あ、』
・
ほんとうまくのせられてる。
もちろん優しいけど、
最近は意地悪なところが勝ってきてる気がする。
・
「...帰るか」
『うん』
「どっか寄ってく？」
『寄るようなところあったっけ』
「ないな」
『だよね』
「タピオカ〜とか言わないの、Aっぽいわ」
『苦手なの。ミルクティー』
「そっちかよ。タピオカ以前の問題な笑」
・
校門をでると、
目の前にある公園に、
数人の小学生がいた。
砂場やブランコで遊ぶ姿があんまりにも楽しそうで
思わず笑みがこぼれた。
・
「ブランコ乗りたい感じ？」
『なわけ笑』
「違うんかーい」
『楽しそうだなぁと思って』
「なー、いいよな、純粋で」
『や、私達も純粋じゃん』
「だって、あの砂場、めっちゃアリいそうだなーとか、あのブランコ切れたらどうなるんだろーとか考えてるし」
『それはやばい笑』
『行ってみようよ、楽しそうだよ』
「行くか笑」
・
丁度、夕やけ放送がなって、
律儀に小学生は家に帰っていって、
さっきまでの賑やかな笑い声は聞こえなくなった。
・
『ブランコ乗ってよ、』
「やだ」
『お願い』
・
ブランコに乗る彼の背中を押すと
うおー、とか言って案外楽しそう。
後ろから見る彼も、
カッコ良い。
・
彼が、私だけの彼になったら
とかバカバカしいことが頭に浮かぶ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 193人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まぁ(プロフ) - にょさん» コメントありがとうございますm(_ _)m わ〜！良かったです！わたしもこんな彼氏が欲しいです(笑) (2021年2月1日 11時) (
レス) id: 2d5716101e (このIDを非表示/違反報告)
にょ - タイソンくんの話、めっちゃキュンときました！癒されました〜！ (2021年1月31日 23時) (レス) id: ef7cd43d86 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ま。 | 作成日時：2020年1月8日 21時
