Yuto.N ページ12
彼の要望に応えられない。
髪を伸ばし始めて4ヶ月。
肩寄り下、鎖骨あたりに、自分の髪の毛がついた時、
限界、の2文字がチラつく。
サラサラ艶々のロングが好きだなぁ、と、
雄登がそう話しているのを聞いたのだ。
サラ艶ロング女子に、
心奪われてしまったら、、、？
パサパサボブ芋女ふられるじゃん！！
という結論に至り、それが現実にならぬよう、
未然に防ぐには、髪を綺麗に伸ばすしかなかった。
・
『ごめん、雄登』
「なに、急に」
『髪きる。』
「うん？」
『伸ばすの辞める』
・
月一でボブにしていたわたしが、
髪を結ぶようになった時点で、
伸ばすの？なんて聞いてきてくれたけど、
『雄登の理想にはなれそうにありません』
「何の話？」
まだ分からないのか、この鈍感男。
『艶々サラサラのロングが良いって言ってた』
「うん、」
『だから、伸ばしてた』
「えぇ？そういうこと？」
なるほどね、と納得する雄登。
・
『お風呂上がり、すぐタオルドライとか無理だった』
『あと、髪乾かすのもひと苦労だし。』
それを維持するしんどさを知り、
サラ艶女子たちのすごさと、真面目さに、
そして、自分の干物女加減にも気付かされた。
・
「でも、最近髪の毛綺麗になったなって思ってたよ」
ほんとなのか嘘なのか分からない発言に、
思わずキョトンとする。
「俺のために、そうやってくれてたってこと？」
「かわいいことすんじゃん」
今日が最後だから、と下ろしてきた髪の毛に、
雄登の手がすーっととおる。
「この長さもかわいかったけど、短いのも好きだよ」
「…なんて、」
キャラじゃないか、と呟く。
『もうちょっと伸ばしてみよっかな』
『褒められたらやる気出てきた』
「はは笑 好きにしなよ笑」
『もっと褒めてくれたら伸ばす！！』
『美容院予約取り消す！』
「えー、どうしよう」
「褒めたら調子乗りそうだしなぁ」
・
「Aのサラサラ艶々ロング楽しみだなぁ〜」
『道のり長すぎて挫けそう』
「俺が褒めたら、切らないんでしょ？？」
『もちろん！！』
・
我ながら単純だけど、
もう少しがんばって雄登の理想に近づこう、
そう思った日。
・
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まぁ(プロフ) - にょさん» コメントありがとうございますm(_ _)m わ〜！良かったです！わたしもこんな彼氏が欲しいです(笑) (2021年2月1日 11時) (
レス) id: 2d5716101e (このIDを非表示/違反報告)
にょ - タイソンくんの話、めっちゃキュンときました！癒されました〜！ (2021年1月31日 23時) (レス) id: ef7cd43d86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ま。 | 作成日時：2020年1月8日 21時
