＊トラ子のための妄想短編集ぱーとつー＊

＊Shizuya.Y＊ ページ3

あなたside



今日もきっと君は舞台にたっているんだと思う。




わたしが知ったところで何も出来ないし、


きっと嫉妬だらけになるから、


知らないことにしてるけど。





でもたぶん、

この時期は有楽町？とかその辺にある劇場で、


歌って、踊って、

ファンの人に笑顔振りまいてるんだと思う。




知らないけれど。




2個年上の閑也くんとは、


どうしても生活リズムが合わなくて、


ちょっと寂しいなぁなんて思う。






明日も授業あるし、


今日はもう寝よ。







布団に入って、


少し空いた空間にまた切なくなる。





サンタさん、彼の仕事も応援できない、
悪い子の私にも幸せちょうだいよ。





悪い子なりに結構、頑張ったと思うんだけどなぁ。






前に、閑也くんが大量のファンレター持って帰ってきた時はこのベッドで隠れて泣いてしまった。




言えないけど。




悪すぎるよ。私。



だって、わたしには見せないような笑顔で、


嬉しそうに見てたんだもん。






自分じゃない女の子からの手紙。




そんなのも乗り越えられない私は



ほんとに子供で、悪い。






そんなことを考えている時に




「寝てる？」





耳に響いたのは大好きな閑也くんの声で。





『ね、寝てないよ！』


『おかえりなさい！』


「おぉ、よかった、ただいま笑」


『今日早かったね』


「うん、今日クリスマスだからね」


『...そっか』






わたしにも幸せくれたんだ...






なんて、バカみたいな事考えてたら




「どうした？なんかあったの？」


『ううん、幸せだなぁと思って』





いつもなら、なにそれってばかにされるんだけど



察してくれるみたいに、頭を撫でてくれる。




「A」





名前を呼ばれるのがこんなに心地いいんだもん。



不思議だ。




『閑也くん、ぎゅーしていい？』


「よしこい」





ベッドの上で待ち構えてくれる閑也くんに、



ぎゅっと抱きつくと、



わたしよりも大きな腕で包み込んでくれる。





安心感。





「A最近ちゃんとメシ食ってる？痩せたろ」


『...時間なかったの』


「食べないとだめでしょ。」


『はぁい』






Aはえらいぞーとか、


よく頑張ってる、なんて


よしよしって頭を撫でてくれる。






それだけで、



また明日からも頑張ろって思えた。





『大好き』

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